作品紹介はこちら→青桐ナツ「flat」
青桐ナツ「flat」(3)
俺に足んないものって
何だろなー
■3巻発売しました。
超忍耐幼児・秋と、超マイペース高校生・平介。なぜか秋に懐かれ、彼なりに戸惑う平介だったが、それでもだいぶ打ち解け、二人の距離も近くに。そんな平和な毎日を送る平介だったが、超真面目高校生の海藤が、そこに嵐をもたらした!加えて秋の心もなんだか掴めない。さてさて、どうしたものか…。相変わらずな第3巻、登場!
~新キャラ・海藤くん~
基本的に出来事がない作品てのは、続刊レビューでのあらまし紹介が難しいのですね。ということで、日常系で人気急上昇中の「flat」第3巻登場です。3巻の目玉は、何といっても超真面目な高校生・海藤くんの登場。やることはなんでも責任もってキッチリ。頼まれれば断れないし、やるとなったらとことん完璧に。言うなれば、平介とは正反対の性格の持ち主の彼が、平介と出会ったらどうなるか…ええ、心が騒ぎますとも。「何でこの人はこんなに適当なんだ?やるべきことをやらず無責任なんだ?」と。しかもそんな男が、友達に愛され、女子生徒から憧れられ、子供(というか秋)からも慕われている…自分にはいないのに…!そんな恵まれた状況にいるにもかかわらず、平介はそれを当たり前のように、いやそれどころかぞんざいに扱っているような印象さえ与える態度。それを海藤くんは許せなかった。

「どうして 僕にはなくてあなたにはあるんだ」
自分が欲していなければ、そこに嫉妬や羨望の感情を覚えることはありません。人一倍真面目な彼は、誰よりも強くそういったものを望んでいたのでした。けれど、真面目に振る舞えば振る舞うほど、友達は離れていく。そして出たのが、この言葉。いやー、これは切なかった。真面目というか、不器用なんですよね。「真面目」しか、方法を知らない。それが行き過ぎて、結果全てが彼だけで完結してしまった。彼の回りには、彼以外が入る余地がなかったのではないでしょうか。逆に平介には、いくらでも入り込む余地がある。それが良いか悪いかは別として、彼にあるその余地が、友人や秋にとって非常に居心地が良いものだということは、容易に想像できます。どちらのキャラもあまりに極端ではありますが、対比としてはとってもキレイ。ちょっと海藤くんには可哀想な展開でしたが、まぁあながちこれは間違ってもいないかな、というのが個人的な感想ですかね。
~“ある”と言われた平介に“ない”もの~
さて、そんなこんなで一人勝ち状態だった平介ですが、3巻では平介自身も思い悩むことになります。そして出た言葉が、上で抜粋した台詞。秋との付き合いによって、己の至らなさを痛感させられる機会が多くなった彼は、自分に足りないものを考え、補完できないか考えるようになります。今までの平介だったら絶対にありえなかった行動!秋くんとの出会いは、平介に確実に変化をもたらしてますよ!そしてラストへ向かって、彼は自分なりのひとつの答えを出すことになるのですが……それは読んでからのお楽しみ。しかしその答え、なんとも彼らしいもので、微笑ましい。3巻は秋くん成分やや少なめだったので、4巻ではもっと増えて欲しいですね。少しずつ変化はしているのですが、それでも明確な変貌を遂げるわけではありません。やっぱり“相変わらず”な辺が、安心感と温かさをもたらし、ほっこり心を暖めてくれるのでした。
■購入する→Amazon
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俺に足んないものって
何だろなー
■3巻発売しました。
超忍耐幼児・秋と、超マイペース高校生・平介。なぜか秋に懐かれ、彼なりに戸惑う平介だったが、それでもだいぶ打ち解け、二人の距離も近くに。そんな平和な毎日を送る平介だったが、超真面目高校生の海藤が、そこに嵐をもたらした!加えて秋の心もなんだか掴めない。さてさて、どうしたものか…。相変わらずな第3巻、登場!
~新キャラ・海藤くん~
基本的に出来事がない作品てのは、続刊レビューでのあらまし紹介が難しいのですね。ということで、日常系で人気急上昇中の「flat」第3巻登場です。3巻の目玉は、何といっても超真面目な高校生・海藤くんの登場。やることはなんでも責任もってキッチリ。頼まれれば断れないし、やるとなったらとことん完璧に。言うなれば、平介とは正反対の性格の持ち主の彼が、平介と出会ったらどうなるか…ええ、心が騒ぎますとも。「何でこの人はこんなに適当なんだ?やるべきことをやらず無責任なんだ?」と。しかもそんな男が、友達に愛され、女子生徒から憧れられ、子供(というか秋)からも慕われている…自分にはいないのに…!そんな恵まれた状況にいるにもかかわらず、平介はそれを当たり前のように、いやそれどころかぞんざいに扱っているような印象さえ与える態度。それを海藤くんは許せなかった。

「どうして 僕にはなくてあなたにはあるんだ」
自分が欲していなければ、そこに嫉妬や羨望の感情を覚えることはありません。人一倍真面目な彼は、誰よりも強くそういったものを望んでいたのでした。けれど、真面目に振る舞えば振る舞うほど、友達は離れていく。そして出たのが、この言葉。いやー、これは切なかった。真面目というか、不器用なんですよね。「真面目」しか、方法を知らない。それが行き過ぎて、結果全てが彼だけで完結してしまった。彼の回りには、彼以外が入る余地がなかったのではないでしょうか。逆に平介には、いくらでも入り込む余地がある。それが良いか悪いかは別として、彼にあるその余地が、友人や秋にとって非常に居心地が良いものだということは、容易に想像できます。どちらのキャラもあまりに極端ではありますが、対比としてはとってもキレイ。ちょっと海藤くんには可哀想な展開でしたが、まぁあながちこれは間違ってもいないかな、というのが個人的な感想ですかね。
~“ある”と言われた平介に“ない”もの~
さて、そんなこんなで一人勝ち状態だった平介ですが、3巻では平介自身も思い悩むことになります。そして出た言葉が、上で抜粋した台詞。秋との付き合いによって、己の至らなさを痛感させられる機会が多くなった彼は、自分に足りないものを考え、補完できないか考えるようになります。今までの平介だったら絶対にありえなかった行動!秋くんとの出会いは、平介に確実に変化をもたらしてますよ!そしてラストへ向かって、彼は自分なりのひとつの答えを出すことになるのですが……それは読んでからのお楽しみ。しかしその答え、なんとも彼らしいもので、微笑ましい。3巻は秋くん成分やや少なめだったので、4巻ではもっと増えて欲しいですね。少しずつ変化はしているのですが、それでも明確な変貌を遂げるわけではありません。やっぱり“相変わらず”な辺が、安心感と温かさをもたらし、ほっこり心を暖めてくれるのでした。
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