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爽子の告白などに関して思うことを少々…《続刊レビュー》「君に届け」9巻
椎名軽穂「君に届け」(10)
…黒沼!
…好きだよ!■10巻発売しました。
おそれや自分の考えで、風早との壁を作ってしまっていた爽子。風早からの告白も、自分の至らない言葉で全てを壊してしまった。すれ違ったまま迎えた学校祭。落ち込んだままの爽子だったけど、友達たちの後押しもあり、自分の想いを風早に届けることを決意。1日目の終了後、彼の待つ教室に向かう。そしてふたりは…
~ついに~ ついに…ついにですよ…おめでとう爽子ぉおおおお!ということで、晴れて結ばれることになった二人。ってのっけからネタバレ全開ですが、みんなわかってたんでしょ?アニメでもネタバレしちゃってましたしね。。。とはいえ、さらっと伝えて即成就なんてことは全然なく、爽子の初めての告白はタイミング悪くジョーに邪魔されてしまいます。一応想いは伝え、お互いに気持ちは確認できたようには思ったものの、確証がないとどうにもできない二人。後日今度は風早くんのほうから、想いが伝えられます。
~徹底して作られるフラットな関係~ 9巻のレビュー時に、「爽子からの告白というのは、自己評価の低い彼女が、風早くんと同じステージに自力で上がっていくための儀式的要素が強く含まれており、この告白が成功した時点で、この作品の当初のテーマは達成されるのではないか」ということを書いたのですが、10巻で繰り広げられたのは、お互いそれぞれ“改めて”告白をするというやり方でした。一見引き延ばしのようにも見えるこのやり取りですが、「お互い同じ目線で」ということを考えると、実に素敵な手法だな、と。

ほぼ確定でも待つのではなく、風早くんもしっかり想いを伝える。
爽子の自己評価の低さを解消するには、爽子が告白をするだけではダメで、相手からの承認が無ければ達成されません。今回の告白に際して、爽子の告白がそのまま受け入れられても良かったのですが、改めて風早くんが告白(爽子にとっては事実上一回目)をするということで、爽子の自己評価の低さが解消されただけでなく、お互いのパワーバランスがよりフラットなものになり、二人の関係はより爽やかで気持ちのよいものになったような印象を受けます。同じ目線で、お互いに尊敬しあい好きあっていることを確認しあうという意味合いが、お互いの告白というやり方にあったのではないでしょうか。とにかく不器用で純粋な彼らにとっては、少しの不均衡さも重くのしかかりそうで、こういったフラットな関係があってやっと、彼らなりの恋愛模様を展開してくことができるようになるのかもしれません。邪魔をしたように見えたジョーは、何気に良い仕事したんですよ!あと何気にピンも良いこと言ってましたよね。
~新たなスタート~ 一応爽子の告白が成功したという時点で、この作品の当初のテーマは達成されたのかな、と個人的には思っています。実際の所は知ることはできませんが、爽子が風早くんに改めて想いを伝える際に、
ここから
風早くんと新しい関係を作りたい
ここから
また始めたいの
という言葉を放っているので、やはり告白の時点で一区切り。そしてこれから新たなステージに突入していくという認識で良いのではないのかな、と。今度のテーマはどういったものになるのかはまだわかりませんが、なんだかんだで問題は出てくるのだろうなぁ。でもいつまでも彼女たちにはピュアでいてもらいたいのでございます。
~11巻はくるみちゃんが多く出るかも~ なんて個人的には何より気になるのが、くるみちゃんのこと。初登場時から「くるみカワイイよくるみ」と言い続けてきた身としては、ぜひとも彼女に幸せになってもらいたいのです。少女漫画ではあの手のキャラは、どうしても必要以上に貧乏くじ引かされて報われないので…。と思ったら、10巻後半でなにやらこれから少しの間メインで展開されるフラグが。結構ハードな物語が展開されそうな予感もしますが、これは期待せざるを得ない。ええ、正直10巻も待ち遠しかったですけど、11巻のほうが待ち遠しいですよ私は。だって別マ買いたいですもん…ってあれ、これ9巻の時も言ってたような…。
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君に届け-10巻の感想!:Lovely Complex Loveさん
…episode40に加筆があったようですねー。本誌では読んでないので、そういう違いを楽しめるってのは羨ましかったり。
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