作品紹介→葉月かなえ「好きっていいなよ。」
3巻レビュー→根暗と幼女とヤリマンと・・・ 葉月かなえは計り知れない 《続刊レビュー》 「好きっていいなよ。」3巻
関連作品レビュー→葉月かなえ「堀高ハネモノレンジャー」/ 葉月かなえ「あれもしたい、これもしたい」
葉月かなえ「好きっていいなよ。」(4)
ねぇ大和
どうしたら
あたしだけの人になる?
■4巻発売しました。
大和との付き合いのもだいぶ慣れてきためい。誠実で心優しい大和に、想いがどんどん積み重なっていく。ライバル登場による、初めての恋のバトルも乗り越え、大和との絆を深められたと思っていたけれど…今度はかわいい読者モデルが相手!?大和を狙って転入してきた読者モデルのめぐみの誘いで、大和もモデルの世界へ足を踏み入れる。彼のことだから、決して口出ししない。そう心に決めたものの、嫉妬と孤独はどんどん大きくなっていき…!?
4巻発売。帯に書いてある情報だと、デザート史上最速で累計100万部を突破したようです。おめでとうございます。比較的歴史の浅い雑誌ではありますが、やはりスゴいことだと思います。なんて絶好調の本作ですが、いやこ勢いはますます増していくんじゃないですかね。3巻でキャラ付けの幅の広さを見せつけてくれた先生が、今度はシチュエーション描写で幅の広さを披露。とにかく充実、終始違った見せ方で惹き付けてくれました。
~友情描写~
4巻でなによりも驚いたのが、女同士の友情描写が登場したことでした。今まで葉月先生は、読切り中心で活躍されていたため、どうしても恋愛中心になってしまっていたのですが、連載である程度その他の要素を詰め込む余裕ができたのでしょうか。個人的に葉月先生は、ど正面の友情描写を描くようなイメージはなく、余計に驚きが大きかったように思います。
シチュエーションとしては、めいが大和のモデル活動で会う時間が減ってしまったことにストレスを溜めていくところに、クラスメイトのあさみと、3巻でライバルになった愛子が心配して声をかけるというもの。それまでも会話程度はありましたが、4巻で見られたそれは、「君に届け」(→レビュー)の爽子・ちづ・あやねを彷彿とさせるような、固い絆と信頼感のようなものが感じられ、今までの描写とはまったく違うもののように思えました…

初めて友達の優しさというものに触れ、戸惑いとともに嬉しさと安心感が溢れ、めいは涙を流す。
このシーンで、ちょっと涙ぐんでしまったのは内緒です。ましてやヒロインのめいは、周囲と壁を作るタイプ。めいを心配し、素直に気持ちを伝えてくれるあさみと愛子の優しさと、生まれて初めてできた友達という存在にとまどいつつも感動するめいの気持ちの両方が、やけに胸に沁みたのでした。
~大和がものすごくカッコよかった~
CREAの人気男性キャラアンケートで、メディアミックスされていないながらもランキングに食い込んだ大和。当初からそのイイ男っぷりは評価されていましたが、4巻ではその素敵っぷりがビシッと発揮されています。モデルやってしかも人気出ちゃうというハイスペックな彼ですが、魅力はそんなところじゃありません。とにかくめいのことを見て、めいのことを考えて、めいのことを優先して動く。モデルの件では、愛子からの喝が入ってやっと自分の失態に気がついた彼ですが、そこは優しさの裏返しと、自覚がなかったということで大目に見てあげてくれれば。そんな中注目して欲しかったのが、その後。めいの家に行ってめいの母親と対峙したとき、学校でのめいの様子を聞かれたとき、彼はめいの良いところ・尊敬できるところを、一語一語丁寧に語っていくんですよね。それも全部、お世辞とかではなく本心から思っていることを。行動で自分の愛情を表すのもそりゃ素敵ですが、こうして相手の良いところ・尊敬できるところを、言葉に表して伝えられるのって、本当にカッコいいです。それって、相手のことをきちっと見て理解していないとできないことですから。大和はイケメンで優しいってだけじゃないんです。
~新キャラ・海~
4巻では新たに男の子が登場します…それが同い年で1年後輩元気っ子・海。
明るくて元気一杯の少年・海
ガタイがよく元気一杯でパワフルな彼ですが、中学のときは線が細く気弱で、イジメの標的になり転校。その後イジメてきたヤツに復讐し見返すために体を鍛え、今では力で負けることはないくらいに強くなったという彼。大和とは中学の時の同級生で、中学の時からしばしば会話をしたりしていたような仲、まためいともパン屋(めいのバイト先)で知り合い、同じくイジメを受けていたという過去を持つことから、二人に積極的に話してくるようになります。
この物語で、彼が登場した意味とは一体なんなのか、そのヒントが作者さんのあとがきにありました…
葉月先生自身も、過去にイジメを受けていた過去があり、そのことは作品にも少なからず影響を与えているのですが、この作品のめいという存在も、またイジメというテーマを背負って登場しているキャラクターのひとりです。そんな彼女の考えは、「イジメられてもそのままでいい。仕返ししても今度は自分がイジメる側になるだけで解決にならない。」というものなのですが、その考え方を葉月先生は、「特殊だ」としています。確かにめいの言うことは正論です。けれどもそれだけでは片付けられないものが、イジメられる側の心にはある。めいだけでは出せないものを、海というキャラクターを通して描いていきたかった。そういった想いが、あとがきから伝わってきたように思います。これから海はどうやって物語に絡んでくるんでしょうかねー。要注目です。
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bk1
3巻レビュー→根暗と幼女とヤリマンと・・・ 葉月かなえは計り知れない 《続刊レビュー》 「好きっていいなよ。」3巻
関連作品レビュー→葉月かなえ「堀高ハネモノレンジャー」/ 葉月かなえ「あれもしたい、これもしたい」

ねぇ大和
どうしたら
あたしだけの人になる?
■4巻発売しました。
大和との付き合いのもだいぶ慣れてきためい。誠実で心優しい大和に、想いがどんどん積み重なっていく。ライバル登場による、初めての恋のバトルも乗り越え、大和との絆を深められたと思っていたけれど…今度はかわいい読者モデルが相手!?大和を狙って転入してきた読者モデルのめぐみの誘いで、大和もモデルの世界へ足を踏み入れる。彼のことだから、決して口出ししない。そう心に決めたものの、嫉妬と孤独はどんどん大きくなっていき…!?
4巻発売。帯に書いてある情報だと、デザート史上最速で累計100万部を突破したようです。おめでとうございます。比較的歴史の浅い雑誌ではありますが、やはりスゴいことだと思います。なんて絶好調の本作ですが、いやこ勢いはますます増していくんじゃないですかね。3巻でキャラ付けの幅の広さを見せつけてくれた先生が、今度はシチュエーション描写で幅の広さを披露。とにかく充実、終始違った見せ方で惹き付けてくれました。
~友情描写~
4巻でなによりも驚いたのが、女同士の友情描写が登場したことでした。今まで葉月先生は、読切り中心で活躍されていたため、どうしても恋愛中心になってしまっていたのですが、連載である程度その他の要素を詰め込む余裕ができたのでしょうか。個人的に葉月先生は、ど正面の友情描写を描くようなイメージはなく、余計に驚きが大きかったように思います。
シチュエーションとしては、めいが大和のモデル活動で会う時間が減ってしまったことにストレスを溜めていくところに、クラスメイトのあさみと、3巻でライバルになった愛子が心配して声をかけるというもの。それまでも会話程度はありましたが、4巻で見られたそれは、「君に届け」(→レビュー)の爽子・ちづ・あやねを彷彿とさせるような、固い絆と信頼感のようなものが感じられ、今までの描写とはまったく違うもののように思えました…

初めて友達の優しさというものに触れ、戸惑いとともに嬉しさと安心感が溢れ、めいは涙を流す。
このシーンで、ちょっと涙ぐんでしまったのは内緒です。ましてやヒロインのめいは、周囲と壁を作るタイプ。めいを心配し、素直に気持ちを伝えてくれるあさみと愛子の優しさと、生まれて初めてできた友達という存在にとまどいつつも感動するめいの気持ちの両方が、やけに胸に沁みたのでした。
~大和がものすごくカッコよかった~
CREAの人気男性キャラアンケートで、メディアミックスされていないながらもランキングに食い込んだ大和。当初からそのイイ男っぷりは評価されていましたが、4巻ではその素敵っぷりがビシッと発揮されています。モデルやってしかも人気出ちゃうというハイスペックな彼ですが、魅力はそんなところじゃありません。とにかくめいのことを見て、めいのことを考えて、めいのことを優先して動く。モデルの件では、愛子からの喝が入ってやっと自分の失態に気がついた彼ですが、そこは優しさの裏返しと、自覚がなかったということで大目に見てあげてくれれば。そんな中注目して欲しかったのが、その後。めいの家に行ってめいの母親と対峙したとき、学校でのめいの様子を聞かれたとき、彼はめいの良いところ・尊敬できるところを、一語一語丁寧に語っていくんですよね。それも全部、お世辞とかではなく本心から思っていることを。行動で自分の愛情を表すのもそりゃ素敵ですが、こうして相手の良いところ・尊敬できるところを、言葉に表して伝えられるのって、本当にカッコいいです。それって、相手のことをきちっと見て理解していないとできないことですから。大和はイケメンで優しいってだけじゃないんです。
~新キャラ・海~
4巻では新たに男の子が登場します…それが同い年で1年後輩元気っ子・海。

ガタイがよく元気一杯でパワフルな彼ですが、中学のときは線が細く気弱で、イジメの標的になり転校。その後イジメてきたヤツに復讐し見返すために体を鍛え、今では力で負けることはないくらいに強くなったという彼。大和とは中学の時の同級生で、中学の時からしばしば会話をしたりしていたような仲、まためいともパン屋(めいのバイト先)で知り合い、同じくイジメを受けていたという過去を持つことから、二人に積極的に話してくるようになります。
この物語で、彼が登場した意味とは一体なんなのか、そのヒントが作者さんのあとがきにありました…
今回新キャラとして出てきた海はめいと同じ、イジメの過去を持つ人物なのですが、めいとはまた異なった考え方を持ってて…。
ただね~めけっこうめいは特殊なんだとおもうんですよね。
いじめられた過去を持つだいたいの人は海のような考え方を一度はするんじゃないかな。
“いつか仕返ししてやる”“見返してやる”って。わたしもそうでしたし。
ただね~めけっこうめいは特殊なんだとおもうんですよね。
いじめられた過去を持つだいたいの人は海のような考え方を一度はするんじゃないかな。
“いつか仕返ししてやる”“見返してやる”って。わたしもそうでしたし。
葉月先生自身も、過去にイジメを受けていた過去があり、そのことは作品にも少なからず影響を与えているのですが、この作品のめいという存在も、またイジメというテーマを背負って登場しているキャラクターのひとりです。そんな彼女の考えは、「イジメられてもそのままでいい。仕返ししても今度は自分がイジメる側になるだけで解決にならない。」というものなのですが、その考え方を葉月先生は、「特殊だ」としています。確かにめいの言うことは正論です。けれどもそれだけでは片付けられないものが、イジメられる側の心にはある。めいだけでは出せないものを、海というキャラクターを通して描いていきたかった。そういった想いが、あとがきから伝わってきたように思います。これから海はどうやって物語に絡んでくるんでしょうかねー。要注目です。
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