
「うわーん ごめんねー まゆからもらったもの失くすなんて
お兄ちゃん失格だよね!」
「安心しろ普段から失格だ」
■3巻発売しました。
桜木眞一、27歳。ごく普通の高校教師で、1-A担任。ごく普通に父と母に育てられ、ごく普通に妹に恋をし、ごく普通にシスコンになりました。何よりも妹のまゆのことを考え、常にアプローチは欠かさない。ただひたすらにまゆが好き。そんな兄に辟易しているのが、妹のまゆ。あろうことか兄が担任を受け持つ1ーAの生徒。こんな兄を持ってしまったがためか、かわいらしい見ために似合わず、口はちょっと悪い。そんな凸凹兄妹が繰り広げる、兄弟愛物語…もとい、シスコン兄と冷酷妹のドタバタコメディでございます。
シスコンの兄と、それに迷惑している妹を描いた4コマです。ヒロインは、女子高生の桜木まゆ。高校生には見えない幼くかわいらしいルックスと、それに似合わない口の悪さを持ち合わせた彼女は、常々迷惑に思っている存在が。それが彼女の兄・桜木眞一。まゆの通う高校の教師で、しかもまゆのクラスの担任である彼は、なんと極度のシスコン兄貴なのです。机の上が妹の写真でいっぱいなのは当然、着ボイスも妹のものだし、授業で妹のことを語り出すこともしばしば。そして暴走する度に妹から鉄拳制裁を食らうのは、もはやお約束。それでも兄は、まゆが大好きなので、自重することはしません。そんなはた迷惑な兄と、幼い見ためながらもやけにローテンションな妹の、ドタバタな毎日を描いていきます。

何度拒まれてもめげない。それがお兄ちゃんクオリティ。
ここまでの説明のみだと、兄と妹だけのワンパターンな4コマのように思われるかもしれませんが、実はそれを打破する非常にナイスなキャラクターが一人登場します。それが保健医の神奈月子。非常に大ざっぱな性格のも持ち主である彼女は、兄・眞一の元同級生で、しかも彼をパシリに使っていたという関係。「まゆ」というひとつの物差ししか持ち得ない兄・眞一を、普通の状態に持ってくることの出来る希有な存在で、単純に兄の切り替えを促し単調さを予防するだけでなく、何やら職場の男女みたいな関係も匂わせたりして、物語に別の味わいを付加してくれるのです。彼女がいることで、物語の面白さが断然増しているように、個人的には思います。
妹のローテンションでやや口の悪いところは、「みなみけ」の千秋を思い出させます。あっちは小学生で、こっちは高校生ですけど。こういう性格になるには、何かしらの要因があると思うのですが、彼女の場合は明白すぎますね。どう考えても兄のせい。とはいえかわいいじゃないですか。10歳も歳が離れてると、やっぱり妹でもかわいく思えるものなんでしょうかね。表紙だけ見るときららレーベルでもよさそうですが、兄という強烈な存在が登場し、また家族というテーマを少なからず含んでいるために、まんがタイムってことなのでしょうか。その線引きは良くわかりませんが、とりあえずこの作品に関してはなんとなく納得できるのでした。
【男性へのガイド】
→芳文社4コマですのでもちろん男性ウェルカムウェルカム。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→兄妹のみでもそれなりに楽しそうですが、こちらの場合は+αがあるから余計に面白いです。楽しい4コマでございますね。
作品DATA
■著者:テンヤ
■出版社:芳文社
■レーベル:MANGA TIME COMICS
■掲載誌:まんがタイムラブリー(2007年1月号~),まんがタイムジャンボ(2006年10月~)
■既刊3巻
■価格:各571円+税
■購入する→Amazon