このエントリーをはてなブックマークに追加
2009.02.12
replica.jpg唐々煙「Replica-レプリカ」


いらないと言うのなら
僕は何の為に作られたんだ   …?



■3巻発売。一応完結。続編の予定があるとかないとか。
 主人公・卍はさすらいの用心棒。しかし最近は、血の噂の絶えない用心棒・赤狗として恐れられ、めっきり雇ってくれる人がいなくなった。新たに訪れた街でも雇い主を見つけることができず、苛立ちが重なる。どうしようもなく途方に暮れている中、突然空から少年が落ちてきて、下敷きにされてしまう。気配もなく落ちてきたその少年・カイは、人を殺す玩具「Toy」を探しているのだと言う。少年とToyに興味を持った卍は、それをきっかけにToy殲滅への道を歩むことになるが…。
 
 殺人玩具「Toy」と、その開発者AAA。そして、それを叩こうとしているグループ「CARDS」。卍は、CARDSの一員として、カイとコンビを組み行動していく。CARDSは複数の隊で構成され、各隊の隊長ないし副隊長は、それぞれ特殊な能力を持つ。実は彼ら、AAAによって造られた、知能を持つ高等な人形であった。自分たちの生みの親を、自らの手で滅ぼそうとする彼らの真意とは…。スタイリッシュな絵柄で送る、ダークアクションファンタジーです。
 
 カイの特殊能力は、人の傷を自分に移すことが出来るというもの。加えてナイーブな面があり、人間以上に人間的。一方の卍は、典型的な向こう見ず。最初は反発しあっていたふたりですが、共に闘ううちに、やがて絆が芽生えるように。その他のCARDSのメンバーも、キャラクターがしっかりしていて魅力的です。個人的には、シラヒメが好きです、ハイ。
 これといった目新しさはないですが、キャラも良いし、物語の運びもこなれた感があり、読みやすいんじゃないでしょうか。
 

【オトコ向け度:☆☆☆☆☆】
→読みやすいです。ただこういう話につきものな、お色気キャラがいないのが少し寂しいところ。別に好きなわけじゃないんですが、いないならいないで寂しいですね。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→こなれた感があって上手。ただ、もうワンパンチ欲しい所。巻を重ねるごとにグイグイひっぱられるようになるのかと思いきや、そういうわけでもない様子で。アクションファンタジーが好きな方にはオススメです。


作品DATA
■著者:唐々煙
■出版社:マッグガーデン
■レーベル:コミックブレイドアヴァルス
■掲載誌:コミックブレイドアヴァルス(2007年10月号~連載中)
■全3巻

Amazonで購入する
カテゴリ「ComicBlade avarus」コメント (0)トラックバック(0)TOP▲
コメント


管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。