
いらないと言うのなら
僕は何の為に作られたんだ
■3巻発売。一応完結。続編の予定があるとかないとか。
主人公・卍はさすらいの用心棒。しかし最近は、血の噂の絶えない用心棒・赤狗として恐れられ、めっきり雇ってくれる人がいなくなった。新たに訪れた街でも雇い主を見つけることができず、苛立ちが重なる。どうしようもなく途方に暮れている中、突然空から少年が落ちてきて、下敷きにされてしまう。気配もなく落ちてきたその少年・カイは、人を殺す玩具「Toy」を探しているのだと言う。少年とToyに興味を持った卍は、それをきっかけにToy殲滅への道を歩むことになるが…。
殺人玩具「Toy」と、その開発者AAA。そして、それを叩こうとしているグループ「CARDS」。卍は、CARDSの一員として、カイとコンビを組み行動していく。CARDSは複数の隊で構成され、各隊の隊長ないし副隊長は、それぞれ特殊な能力を持つ。実は彼ら、AAAによって造られた、知能を持つ高等な人形であった。自分たちの生みの親を、自らの手で滅ぼそうとする彼らの真意とは…。スタイリッシュな絵柄で送る、ダークアクションファンタジーです。
カイの特殊能力は、人の傷を自分に移すことが出来るというもの。加えてナイーブな面があり、人間以上に人間的。一方の卍は、典型的な向こう見ず。最初は反発しあっていたふたりですが、共に闘ううちに、やがて絆が芽生えるように。その他のCARDSのメンバーも、キャラクターがしっかりしていて魅力的です。個人的には、シラヒメが好きです、ハイ。
これといった目新しさはないですが、キャラも良いし、物語の運びもこなれた感があり、読みやすいんじゃないでしょうか。
【オトコ向け度:☆☆☆☆☆】
→読みやすいです。ただこういう話につきものな、お色気キャラがいないのが少し寂しいところ。別に好きなわけじゃないんですが、いないならいないで寂しいですね。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→こなれた感があって上手。ただ、もうワンパンチ欲しい所。巻を重ねるごとにグイグイひっぱられるようになるのかと思いきや、そういうわけでもない様子で。アクションファンタジーが好きな方にはオススメです。
作品DATA
■著者:唐々煙
■出版社:マッグガーデン
■レーベル:コミックブレイドアヴァルス
■掲載誌:コミックブレイドアヴァルス(2007年10月号~連載中)
■全3巻
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