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Tag [続刊レビュー] 2010.01.26
作品紹介→*新作レビュー*美森青「シーイズマイン」
関連作品レビュー→美森青「B.O.D.Y.」



sheismine.jpg美森青「シーイズマイン」(2)


なんじゃそりゃあぁあぁあぁあ!!!


■2巻発売、完結です。
 美礼の意外な清の強さに惹かれたハルだが、美礼はふたりを気遣って遠慮する遼太郎のことを気にしてばかり。ハルの気持ちを知ってるおかげで気まずい遼太郎は、それでも一定の距離を保っていようとするものの、美礼はお構いなしに予想外の行動に出る。ハルも遼太郎も、美礼の行動に振り回されてばかり!男子二人の運命は、一体どんな結末に…!?

 あっという間に完結。正直「完結」の文字を見た時は、「いやいや、ちょっと早すぎるしまとまらないでしょ!?」なんて思ったのですが、読んでみて「ああ、これやっぱこのくらいで良かったかもね」と。なんていうか、誰も得しない感じだったなぁというのが率直な感想ですね。


~結局どういう漫画だったのだろうか…~
 物語は男二人の巻き込まれからのフォーリンラヴという展開。普通であればヒロインモテモテで共感型女性読者歓喜…となるはずが、ヒロインがあまりにぶっ飛びすぎているのでそれは到底不可能。それゆえこの物語は男の子、特に遼太郎からの視点でおくられ、タイトルも男の子視点で「シーイズマイン」。このタイトルをちょっと変化球的に受け取り、女の子の一挙手一投足に浮かれ落ち込む男の子の愚かさを喜劇的に描こうという目的があったと考えても、やっぱりこのヒロインだと男の子達に同情してしまわざるを得ないかな。最後はまとめるためにヒロインも変化を見せるわけですが、長期連載化でもうちょっとあのままひっぱっても面白かったと思うだけに早期打ち切りは残念だったりします。でもこれ絶対読者共感度低そうだしなぁ、叶わぬ願いだったということか。


~自由なお姉さんキャラ大好き~
 個人的には一番不動だった感じの、遼太郎のお姉ちゃんが好きでした。ああいうお姉さんキャラ大好きです。「僕等がいた」(→レビュー)の竹内くんのお姉ちゃんとか。人生経験を自分より積んだ、少しだけ年上の異性ってのは、恋愛において非常に的確なアドバイスをくれる人が多い気がします。


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かくかくしかじか
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2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




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期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。