作品紹介→*新作レビュー*やまもり三香「シュガーズ」
2巻レビュー→オムニバス少女漫画の可能性を、そのキャラ配置に見た《続刊レビュー》「シュガーズ」2巻
やまもり三香「シュガーズ」(3)
「人を好きになるきっかけ」なんて
ささいな事なんだと 知った
初恋だった
■3巻発売しました。
届かなくても、すれ違っても、終わってしまっても…その甘さは変わらない。切ない恋のオムニバス集第3集。
~3巻の表紙良くないですか?~
なんか表紙といい、もの凄く洗練されてきてませんか?なんだかとってもオシャレな感じになりつつあるというか。ということで第3巻の発売です。2巻ではやや長めのストーリーが収録されたりしていましたが、今回は5つの物語で2つの恋愛軸を描いていきます。最後は書き下ろしで、先の5話とは独立したお話。こちらはこちらで面白かったのですが、今回のレビューではこちらは置いておきます。
~寺田藍関連のお話が素敵だった~
2つの恋愛軸が描かれたのですが、その中でも連続して描かれた12話~14話のまとまりが非常に良かったです。今回はそれについて少々…。
メインとなるのは、大学生の青年・寺田藍。惚れっぽい性格の持ち主である女子高生・桜が、レンタルビデオ屋でバイトをする藍に恋をしてしまうというところがお話のきっかけになります。その回のヒロインである桜は積極的に藍にアプローチしていくのですが、そこで浮かび上がってくるのが、5年間つき合っている遠恋中の彼女の存在。藍は彼女がいることを伝え、桜の誘いをかわし続けるのですが、当の彼女とはいまひとつ上手くいっていないという状況。以降13話では、その彼女視点で藍との出会いが描かれ、14話では藍視点から、彼女との思い出と桜への対峙という2つが描かれます。
~視点・時間軸を容易に切り替えてしまう、オムニバスならではの強み~
ここでスゴいと思ったのは、オムニバス形式という手法をとっているからこそ、容易に視点と時間軸を変えることができるというところ。12話では現在、13話では5年前、そして14話では5年前から現在という時間の移り変わりを見せ、さらに視点も3者で切り替えたわけですが、それって結構すごいことじゃないですか?読者としても、ひとつの恋を様々な視点から見つめることが出来るということで、美味しいですし。基本的に恋愛模様は主人公視点から語られることがほとんどで、それ以外に関してはキャラに人気がない限り描かれることはありません。それがこの作品に関しては、オムニバスということで視点の切り替えが毎回され、さらに各話繋がりをもって展開されるので、同じ恋を描く可能性も高まります。オムニバスですが、連載作に負けない濃密さを持ち、さらに常に新鮮という。
~逆にデメリットは?~
広げようと思えばいくらでも広げられそうですが、あまりに広がりすぎると誰が誰だかわからなくなってしまうという危険性も。各話に繋がりがあることがひとつの売りである以上、それを感じさせなくなってしまうと、話としての面白さはそのままでも、作品としての魅力は少し落ちてしまいます。話が溜まれば、時間の経過による変化を描けるようにもなるので、まだまだネタが枯渇することはないと思いますけど。
4巻では誰関係の、どういったお話が描かれるのでしょうか。楽しみですね。
■購入する→Amazon
/
bk1
2巻レビュー→オムニバス少女漫画の可能性を、そのキャラ配置に見た《続刊レビュー》「シュガーズ」2巻

「人を好きになるきっかけ」なんて
ささいな事なんだと 知った
初恋だった
■3巻発売しました。
届かなくても、すれ違っても、終わってしまっても…その甘さは変わらない。切ない恋のオムニバス集第3集。
~3巻の表紙良くないですか?~
なんか表紙といい、もの凄く洗練されてきてませんか?なんだかとってもオシャレな感じになりつつあるというか。ということで第3巻の発売です。2巻ではやや長めのストーリーが収録されたりしていましたが、今回は5つの物語で2つの恋愛軸を描いていきます。最後は書き下ろしで、先の5話とは独立したお話。こちらはこちらで面白かったのですが、今回のレビューではこちらは置いておきます。
~寺田藍関連のお話が素敵だった~
2つの恋愛軸が描かれたのですが、その中でも連続して描かれた12話~14話のまとまりが非常に良かったです。今回はそれについて少々…。
メインとなるのは、大学生の青年・寺田藍。惚れっぽい性格の持ち主である女子高生・桜が、レンタルビデオ屋でバイトをする藍に恋をしてしまうというところがお話のきっかけになります。その回のヒロインである桜は積極的に藍にアプローチしていくのですが、そこで浮かび上がってくるのが、5年間つき合っている遠恋中の彼女の存在。藍は彼女がいることを伝え、桜の誘いをかわし続けるのですが、当の彼女とはいまひとつ上手くいっていないという状況。以降13話では、その彼女視点で藍との出会いが描かれ、14話では藍視点から、彼女との思い出と桜への対峙という2つが描かれます。
~視点・時間軸を容易に切り替えてしまう、オムニバスならではの強み~
ここでスゴいと思ったのは、オムニバス形式という手法をとっているからこそ、容易に視点と時間軸を変えることができるというところ。12話では現在、13話では5年前、そして14話では5年前から現在という時間の移り変わりを見せ、さらに視点も3者で切り替えたわけですが、それって結構すごいことじゃないですか?読者としても、ひとつの恋を様々な視点から見つめることが出来るということで、美味しいですし。基本的に恋愛模様は主人公視点から語られることがほとんどで、それ以外に関してはキャラに人気がない限り描かれることはありません。それがこの作品に関しては、オムニバスということで視点の切り替えが毎回され、さらに各話繋がりをもって展開されるので、同じ恋を描く可能性も高まります。オムニバスですが、連載作に負けない濃密さを持ち、さらに常に新鮮という。
~逆にデメリットは?~
広げようと思えばいくらでも広げられそうですが、あまりに広がりすぎると誰が誰だかわからなくなってしまうという危険性も。各話に繋がりがあることがひとつの売りである以上、それを感じさせなくなってしまうと、話としての面白さはそのままでも、作品としての魅力は少し落ちてしまいます。話が溜まれば、時間の経過による変化を描けるようにもなるので、まだまだネタが枯渇することはないと思いますけど。
4巻では誰関係の、どういったお話が描かれるのでしょうか。楽しみですね。
■購入する→Amazon