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Tag [オススメ] 2009.02.12
07207453.jpgかわい有美子/夏乃あゆみ「暁の闇」


俺はあの方に
お仕えしたい



■2巻発売しました。
 時は平安。幼少の頃は才能に溢れ、将来を嘱望されていたが、今となってはすっかりうらぶれてしまった陰陽師・賀茂依亨。ある日、迷い込んだ先で出会ったのは、宮中で凶行に及び、流罪となった廃太子・惟喬親王ー龍の宮。聞いていた噂とは異なり、実に聡明な人格者であった彼に、依亨は心酔。仕えたいと願うようになる。龍の宮に出会って以降、陰陽師としての力が戻り、さらに都では厄災を予期する神が顕現するなど、情勢は慌ただしくなってくる。今こそ龍の宮を再び宮中へ。その願いを持つ者たちが集い、今動き出す。

 うらぶれた若手の陰陽師・依亨が、龍の宮に出会うことで、力を取り戻し、果ては彼の宮中への復帰に尽力していく様を綴った時代物マンガです。時代物にありがちな、様々な案件が入り組んだ一大スペクタクルというワケではなく、軸になっているのは「龍の宮の復帰」と「龍の宮の心の闇」。それを、力を取り戻した陰陽師・依亨の視点から描いていきます。
 
 心に闇を抱え、凶行に及んだ過去があっても、人格者であった龍の宮を慕う人間は何人かおり、他にも人脈がないわけではありません。これだけの人物に動きがあれば、当然流れに乗ろうとする者や、なんとしても潰そうとする輩も出てくるわけですが、それがとてもスッキリ、けれど浅くならずに描かれています。陰陽師モノですが、妖怪とのバトルを描くわけではなく、動きは少ない。けれども丁寧な描写で人々の心を描き出すので、全く飽きることなく読むことが出来ます。不思議な魅力を持った作品。面白いと思います。


【オトコ向け度:☆☆☆☆ 】
→1巻で見られたBL臭さは2巻以降気にならなくなるはず。気がつけば芯の入った時代物としてしっかり成り立っているように。女性の主要キャラはほぼ登場しませんが。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→歴史物・時代物が苦手な自分でも、スッキリ状況を理解して読み進めることが出来ています。繊細、だけど厚みもある。権力争いというひとつのテーマのなかに、陰陽師というファンタジー的要素を上手く落とし込んだ良作だと思います。


作品DATA
■著者:かわい有美子/夏乃あけみ 原作者(かわい有美子)サイト→「Blue on the Heaven
■出版社:マッグガーデン
■レーベル:コミックブレイドアヴァルス
■掲載誌:コミックブレイドアヴァルス(’08年3月号~連載中)
■既刊2巻

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
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稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




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2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




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BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
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かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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