
人を幸せにできない「占い」なんて
意味が無い!!
■3巻発売です。
20XX年、TOKYO
占い至上主義的BOYS&MENSが贈るドキドキキラキラの、ミラクルフォーチュンストーリーだそうです。逆によくわからないですが、占いがメインだということはおわかりになるでしょう。物語の舞台となるのは、占いがこの世で重要なポジションにある世界。その国の大都会・TOKYOに越してきた高校生・馬未塚朋孝(マミ)がこの物語の主人公になります。両親は仕事で失踪、ずっと育ててくれた祖父は体調を崩して長期療養、そこでTOKYOにいる叔父のもとに白羽の矢が。TOKYOで占い館「nor-fine」を経営する彼の元には、個性的な占い師が勢揃い。占い師に憧れるクラスメイト・谷津(やっちゃん)に触発され、彼自身もまた占いの世界に徐々に足を踏み入れていくことになります。

主人公とそのお友達はショタショタ。もう1人の友達もいいキャラしていて、飽きが来ない(個人的にね)。
限定的に「これを描いている」とは言い難い物語。ある部分を見れば、青春学園ものであり、またある部分から見れば、占い館での毎日を描いた日常コメディ。なんとなく、明るく楽しい毎日を描いているという印象の強い作品なのですが、それだけでなく同時に大きな物語が用意されています。そうでなければ「バビロニア」などという占い結社(みたいなもの)を登場させる必要はありませんし。その時点では占いとは無縁で育ってきた主人公ですが、こういった環境に飛び込むことよって、彼の中に眠る特別な才能が目覚めはじめます。周りでそのことを知っているのは叔父のみ。最初はなんでもない、ごく普通の日常を送っていた彼が、徐々に非日常な世界へと流されていくことになります。
占い至上主義といっても、当然占いを信じていない人物もいるわけで、そのへんはしっかりバランスがとられています。占いというのはあくまで、人を手助けするための手段のひとつにすぎないわけで、それはこの世界でも一緒。スタートからとんでもな設定を見せられたら、入り込めず盛り上がる前にギブアップしてしまうわけですが、この作品は非常に読み手に優しい入り方。キャラの登場数がもの凄く多いのが唯一の難点と言えるかもしれませんが、まぁ占い師は何占いかで区別すれば良いですし、メインキャラはしっかり描き分けられているので、さして問題はないかと。
【男性へのガイド】
→男キャラばっかりで、しかも占いがメインと嫌いたくなる要素はたくさんあるのですが、全体的な雰囲気としては読みやすいんじゃないかなぁと。ちょっと腐くさいってだけで。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→楽しい作品ですが、物語の進行はやや遅め。キャラが好きでないとそこまでは我慢できない気がするので、こういった男キャラがいっぱい出てくるような作品がお好きな方は。
作品DATA
■著者:山田J太
■出版社:アスキーメディアワークス
■レーベル:シルフコミックス
■掲載誌:シルフ(Vol.1~)
■既刊3巻
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