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Tag [続刊レビュー] 2010.02.06
作品紹介→*新作レビュー*遠山えま「わたしに××しなさい!」
関連作品レビュー→遠山えま「ココにいるよ!」



1102875777.jpg遠山えま「わたしに××しなさい!」(2)


いま…
1パーセントだけ…
好きって気持ちがわかった気がする



■2巻発売です。
 女王様・雪菜の命令に、従順なシモベのふりをしながら反逆を企む時雨。雪菜がメガネを外すと何もできなくなるのを良い事に、メガネを外してそのまま立ち去るという反抗に時雨は打って出る。恐怖に身動きできなくなった雪菜だったが、彼女を見守る幼なじみ・晶がそんなピンチから救ってくれた。時雨と晶が、雪菜を巡って火花を散らす。そんな中、雪菜のケータイ小説ランキングが2位に転落。首位奪還のため雪菜は、もっとドキドキしなくてはいけなくなって   !?


~抜かりない表紙~
 男得な要素を多分に含んだこの作品、表紙は一見すると女得の逆ハーレムに見えますが、ヒロイン・雪菜はしっかりと太腿を強調。抜かりありません。さてさて、そんな2巻ですが、相変わらず萌えを喚起するような展開の連続。やっぱりこのヒロインは、男性向け萌えのソレに極めて近い位置にいると思うんですが。しかしそれだけでは女性読者ついて来てくれないわけで、しっかりと女性にも支持されるような作りにしてきています。


~三角関係になりましたが…~
 2巻では幼なじみの晶くんが奮起。時雨と雪菜の間に割って入ろうとしてきます。しかも大人しそうに見えて結構積極的。大切な子のことになると、エンジンがかかるってのは、愛される側としてはなかなか嬉しいものがあるじゃないですか。そんな晶に対して、嫉妬のような怒りのような感情を沸き立たせている時雨もまたカワイイし、それがイコールで厚意の現れになっているわけですから、美味しく嬉しいです。素直じゃなくて一筋縄ではいかない時雨に、従順で優しい晶。いわば少女漫画ではお約束のキャラ配置で、わかりやすさ、読みやすさを助長させる一要因になっています。ちなみに時雨は小学生に人気があって、晶は中高生に人気があるらしいです。私は時雨が好きですねー。器用に見えて不器用なところとかかわいらしいですし、なんてったて雪菜発信のラブイベントが起こるのは彼だけですからね。雪菜みたいなキャラは、時雨みたいな相手でこそ魅力が発揮されると思うのです。


~雪菜は時雨といたほうが生き生きしている~
 個人的にビビっとくる雪菜の可愛らしさが発揮されるのは、基本的には時雨が相手のとき。命令してみたはいいけど逆に翻弄されて困ってしまう表情といい、ついつい怒ってしまうところとか、生き生きしていてとても可愛らしいですね。特に不意に「かわいい」と言われて、家に帰ってから鏡で自分の顔をまじまじと見たり、挙げ句の果てに…

わたしにXXしなさい!2
辞書で「かわいい」という意味を調べちゃったりする。
 
 もうこれは時雨にしか出せない反応なわけですよ。なんて晶はまだ恋愛戦線には乗り切っていないですからね、これから本領発揮なのでしょうが、果たしてどこまで食い下がれるのか。2巻では雪菜の顔を赤らめさせることすらできず…挽回に期待したいところです。
 

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