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Tag [続刊レビュー] 2010.02.12
作品紹介→*新作レビュー*円城寺マキ「はぴまり~Happy Marriage!?~」
2巻レビュー→プチコミ作品でお薦めするならコレかな《続刊レビュー》円城寺マキ「はぴまり」2巻


1102875361.jpg円城寺マキ「はぴまり~Happy Marriage!?~」(3)


だからもう
演技とかしなくていいから
私はもう
そんなことしなくても離れない



■3巻発売です。
 契約結婚のはずが、いつしか彼を愛しはじめた千和。そんな時、北斗の優しさは、ある目的のための演技だったことを知ってしまう。現状を変えようと転職を考えたが、それを止めに彼が追いかけてきてくれた。その事実を嬉しがった千和は、もう少し彼を信じてみることに決めたけど…!?

 3巻出ました。3巻ぐらいで終わるかなぁなんて思っていたので、更に続いてくれてありがたいです。さて、では3巻をさくっとふりかえってみましょう。


~お互いの認識のズレ~
 1巻では契約結婚の成立、2巻ではお互いが意識しはじめるという段階、そして3巻はお互いの抱える関係の認識の差が浮き彫りになっていきました。この契約結婚の狙いはお互いに異なり、千和は借金を帳消しにしてもらうことで、一方の北斗は間宮家のすべてを手に入れるという野望(?)によるもの。双方にメリットがあるわけですが、同時に相手への負い目を感じてしまいます。千和はそれを超えて北斗を想いはじめていますが、北斗が彼女のことを意識しつつあることにはこれっぽっちも気づいていません。また北斗は、千和にこのような契約結婚をさせてしまったことに負い目を感じており、未だ距離の取り方を計りかねています。どちらも不器用丸出しでかわいくはありますが、北斗さん、相手は処女で恋愛全然ダメダメの女性なんですからもっと優しくしてあげないと…。そして千和はなんだかんだでいい子でございますね。苦労性が染み付いている気もしますけど。


~なんか昼ドラみたいになってきましたけど~
 後半では北斗の生い立ちと、昼ドラにありがちなお金持ちの家特有の安っぽい裏事情が明らかになります。あくまでコメディとして楽しみたいのですが、こっちに流れてっちゃうのでしょうか。こういう背景だからこそ、ドラマチックに仕立て上げれば仕立て上げるほど安っぽくなってしまうような気もするわけで、ヘタにシリアスにならないうちに、さくっとまとめてもらえれば…。


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2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




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