上田美和「パピヨン ―花と蝶」
自分で決めないと この先状況は何も変わらないよ
まず目的地を決めて
どうやったらそこにたどり着けるか考えないと
■６巻発売です。
ヒロイン・亜蝶は地味で内向的な性格。それに対し、双子の妹である花奈は明るく学校でも人気者。双子なのに正反対の花奈といつも比べられ、地味で退屈な高校生活を送っていた。好意を寄せる男の子はいるものの、遠くから眺めるだけで、近づくなんてもってのほか。ところがある日、馬のマスクを被った謎の男に出会った事で、亜蝶の日常がすこしずつ変わり始める…。
「ピーチガール
」の上田美和さんの現在の連載作がこちら。謎の男の正体はスクールカウンセラー。ヒロインの亜蝶は彼からアドバイスをもらうことで、地味で卑屈だった過去から脱却し、新たな自分に生まれ変わっていきます。やがて、親身になって相談にのってくれるカウンセラー・九に想いを寄せるようになります。ただ、話をそこのみで展開させるわけでなく、正反対の妹・花奈と、幼馴染でかつての想い人・流星との絡みもメインフィールドにしながら物語を進めていきます。双子なのに正反対な性格というのは、両親の事情で、亜蝶は祖母の元へ預けられ、花奈だけが残されたため。そんなことあるんかいな、なんて気にしちゃダメです。あと、カウンセラーと相談者って、心理学の世界で言う「転移」「逆転移」ってやつで、あまりよろしくない関係なんじゃないんですか？ってそんなことも気にしちゃダメです。だって、それでも充分面白いんだもの。
【オトコ向け度：☆ 】
→「ピーチガール」もそうでしたが、上田美和さんの作品はオンナ度高めでございます。
【私的お薦め度：☆☆☆☆ 】
→ヒット作を飛ばした作家さんだけあって、安定して面白い作品に仕上がっています。
作品DATA
■著者：上田美和 作者さんのサイトあります。
■出版社：講談社
■レーベル：講談社コミックスフレンドB
■掲載誌：別冊フレンド(2006年8月号～連載中)
■既刊６巻
■Amazonで購入する
prev
