作品紹介→高梨みつば「紅色HERO」
16巻レビュー→カナコと嶋の、ベタで素晴らしき師弟関係《続刊レビュー》高梨みつば「紅色HERO」16巻
高梨みつば「紅色HERO」(17)
春高に行けたら…
その時は…
■追い風に押される勢いで冬季大会2回戦へと勝ち進んだ紅野女子。祐信率いる男子も、最終予選出場を決めた。男女揃っての、春高出場の可能性に、俄然色めき立つ紅野高校。そんな中、のばらが居候させてもらっている桃子の家に、祐信が訪ねてくる。「春高に行けたら、その時は…」あの時の約束を忘れずに、お互い今も大切に覚えていることを確認した二人は、春高へ向けてさらに気持ちを高めていく。しかし最終予選を間近に控えた晩、とある事件が起き…!?
~バレーしてるシーンが少なかった…~
とりあえず、バレーしようぜ。この作品を読むにあたり、巻によって満足度の振れ幅がかなり違うのですが、その振れ幅を生み出しているのは、バレーシーンがあるかないかなんですよ、私にとって。恋愛も悪くはないんですが、やっぱり彼ら・彼女らをアイデンティファイするのは、他ならぬバレーであって、やっぱりバレーありきで物語は進んで欲しいと言いますか。恋愛は2番目以降であって欲しいと言いますか。なんて読者のわがままだってのはわかってるんです。スポーツ一本で行っても本道の読者はついて来ちゃくれないことだって。
~のばらにとっての「バレー」の在り方を決定的に変化させた今回の出来事~
さて、17巻ですが、後半に衝撃の展開が待っていました。スポーツものらしく爽やかさ一本で行くのかと思いきや、まさかの重苦しい展開。こういう方向で行くのかー。これによって大きな感動を作り出すことは可能ですが、同時にのばらのバレーをする意味が全く違うものになってきそうで、そこだけが気がかり。物語が始まった当初は、のばらにとってはバレーしかなく、「バレーをすることで自分らしくいられる」といった意味合いが強く含まれていたように思います。それが祐信との出会いによって、バレーをやる中に恋愛という要素が含まれるように。他にも仲間との友情といった要素もあったわけですが、今回の出来事によって、のばらにとっての最終予選は、ほぼ100%祐信のためという意味合いになってきます。気がつけば、のばらにとってのバレーの在り方が、開始当初とは全く違ったものになっているという。恋愛重視の少女漫画としてならば、この持っていきかたは正解。ただスポーツ漫画としての可能性に懸けていた自分としては、ちょっと残念でもあったり。とりあえず祐信はどんな反応するんでしょうか。のばらだけ春高に行っても彼は決して納得しないような気がするんですが。でも作者さん曰くラストが近いって言うし、もしかしたら意外と春高には祐信も出場しちゃうのかもしれませんね。
■購入する→Amazon
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16巻レビュー→カナコと嶋の、ベタで素晴らしき師弟関係《続刊レビュー》高梨みつば「紅色HERO」16巻

春高に行けたら…
その時は…
■追い風に押される勢いで冬季大会2回戦へと勝ち進んだ紅野女子。祐信率いる男子も、最終予選出場を決めた。男女揃っての、春高出場の可能性に、俄然色めき立つ紅野高校。そんな中、のばらが居候させてもらっている桃子の家に、祐信が訪ねてくる。「春高に行けたら、その時は…」あの時の約束を忘れずに、お互い今も大切に覚えていることを確認した二人は、春高へ向けてさらに気持ちを高めていく。しかし最終予選を間近に控えた晩、とある事件が起き…!?
~バレーしてるシーンが少なかった…~
とりあえず、バレーしようぜ。この作品を読むにあたり、巻によって満足度の振れ幅がかなり違うのですが、その振れ幅を生み出しているのは、バレーシーンがあるかないかなんですよ、私にとって。恋愛も悪くはないんですが、やっぱり彼ら・彼女らをアイデンティファイするのは、他ならぬバレーであって、やっぱりバレーありきで物語は進んで欲しいと言いますか。恋愛は2番目以降であって欲しいと言いますか。なんて読者のわがままだってのはわかってるんです。スポーツ一本で行っても本道の読者はついて来ちゃくれないことだって。
~のばらにとっての「バレー」の在り方を決定的に変化させた今回の出来事~
さて、17巻ですが、後半に衝撃の展開が待っていました。スポーツものらしく爽やかさ一本で行くのかと思いきや、まさかの重苦しい展開。こういう方向で行くのかー。これによって大きな感動を作り出すことは可能ですが、同時にのばらのバレーをする意味が全く違うものになってきそうで、そこだけが気がかり。物語が始まった当初は、のばらにとってはバレーしかなく、「バレーをすることで自分らしくいられる」といった意味合いが強く含まれていたように思います。それが祐信との出会いによって、バレーをやる中に恋愛という要素が含まれるように。他にも仲間との友情といった要素もあったわけですが、今回の出来事によって、のばらにとっての最終予選は、ほぼ100%祐信のためという意味合いになってきます。気がつけば、のばらにとってのバレーの在り方が、開始当初とは全く違ったものになっているという。恋愛重視の少女漫画としてならば、この持っていきかたは正解。ただスポーツ漫画としての可能性に懸けていた自分としては、ちょっと残念でもあったり。とりあえず祐信はどんな反応するんでしょうか。のばらだけ春高に行っても彼は決して納得しないような気がするんですが。でも作者さん曰くラストが近いって言うし、もしかしたら意外と春高には祐信も出場しちゃうのかもしれませんね。
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