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Tag [オススメ] 2009.02.13
17.jpg桜井まちこ「17(じゅうなな)」


自分のこと信じて疑わない人が
そばで ただ 見ててくれるなんて
相当シアワセだと思うけど
なんにもはずかしいことないよ



■2巻発売です。
 これは、高校生活最後の一年間のおはなし  。3年のクラス替え、ヒロインの詩歌は、親友の明と、中学のときから4年間付き合っている彼氏の祐介と同じクラスに。そしてもうひとり、同じクラスになった男が。恵亮太。不思議な雰囲気を持つ彼に、想いを寄せる明を通じて、詩歌もすぐに仲良くなる。そしてその頃祐介は、部活に進路に悩みを募らせていた。それが原因か、最近詩歌と祐介はどうもギクシャク。そんな状態に思い悩む詩歌だったが、恵の言葉に救われる。そして、それぞれの交錯する想いはやがて  

 同じクラスになった4人の男女の想いを描く、せつなさいっぱいの青春学園ストーリーです。日々を明るく楽しく能天気に過ごす詩歌と、野球部のキャプテンで、部活に将来に思い悩む祐介。4年間連れ添いながらも、徐々に出来始めた溝。付き合うほどに恵からは、暗い過去が匂ってくる。そして、恵に想いを寄せる詩歌の親友・明は…。
 
 この時期独特の、妙な気だるさと鬱屈感。そんな中に、恵という異端な存在が入り込むことによって、滞り気味だった関係・想いが動き出します。一応流れは最近の少女マンガなんでしょうけど、一番イメージとして近いのが、いくえみ綾の「潔く柔く」かな。妙な重苦しさを伴った雰囲気が似ているというか。ヒロインの性格が全く違うので、あそこまでズーンとなることはありませんが。
 

【オトコ向け度:☆☆☆  】
→これぐらいのほうが男性にも読みやすいか。ヒロインがOKかどうかが肝心。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→上手いんじゃないでしょうか。ちょっと恵くん暗い状態になりすぎじゃね?とも思うのですが、それがまた良いと思う方もきっといるはず。


作品DATA
■著者:桜井まちこ 作者ブログ→「ブログ サクライマチコ
■出版社:講談社
■レーベル:KC別フレ
■掲載誌:別冊フレンド(2008年6月号~連載中)
■既刊2巻

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カテゴリ「別冊フレンド」コメント (2)トラックバック(0)TOP▲
コメント

桜井まちこは過去作品のが好きですね~特に初期の短編集
男性が読みやすいのは最近のだとは思いますが…
過去記事にコメントすみません
From: たか * 2010/03/28 01:00 * URL * [Edit] *  top↑
桜井先生の過去作はほとんど読んだ事がないので、機会があったら是非読んでみたいと思います。
コメントどうもありがとうございました。
From: いづき * 2010/03/29 00:52 * URL * [Edit] *  top↑

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