作品紹介→かわい有美子/夏乃あゆみ「暁の闇」
3巻レビュー→ちょっとアヴァルスにシフトした?《続刊レビュー》「暁の闇」3巻
かわい有美子/夏乃あゆみ「暁の闇」(4)
もう相手は
手段を選ばぬのだ
■4巻発売です。
龍の宮の周囲が俄にざわめきだす。龍の宮を再び宮中へと願い動く、由朔と冬智。法親王の後押しもあり、宮中への復帰がだんだんと現実を帯びてくる。そしてそれをさすまいと、必死に邪魔をしてくる左大臣。渦中の龍の宮の想いは?そして依亨はどう動くのか…。ますます目が離せない、新・平安絵巻、第四巻!
~改めてオススメを…~
この作品、個人的に凄く好きで、実は2009年のオススメ記事にも、ちゃっかり名前を入れていたりします。ランキングに入れようかは最後まで迷いました。しかしながら今ひとつ話題にならない…というか、そもそも認識すらされていない印象すらあるんですよね。そこで今回改めてオススメしてみようかな、と思います。ちなみに5巻が最終巻の予定。今一番の見所を迎えてますよ!
~あらまし~
舞台となるのは、平安時代。主人公は、名のある陰陽師の息子として将来を渇望されながら、今ではすっかりうらぶれてしまった青年・依亨。出世コースからも完全にはずれ、日々無気力に生きていた彼がある日大和の守の命で、人里離れた山荘に住む太子・惟喬親王 龍の宮の元に遣わされます。皇子にも関わらず人里離れた山荘にひっそりと暮らしているのは、過去に御所内で凶行に及んだため。身分・経緯は違えど、どこか似たような境遇に置かれています。良い噂を聞かない龍の宮に会うこの要件を面倒くさがっていた依亨ですが、実際に会ってみて、その聡明な姿に驚き、あっという間に心酔していきます。そしてこの出会いをきっかけに、徐々に龍の宮を後押しする存在が登場。再び宮中に戻すための動きが出来上がっていきます。

実際に龍の宮は聡明で、カリスマ性を発揮している。視点は依亨であるが、物語の軸となるのはこの男・龍の宮の存在。
一人のカリスマ・龍の宮という存在がおり、彼に魅了された者たちが彼の宮中復帰を願い動き回るというストーリー。ただ心から彼を信奉し後援する依亨のような存在もいれば、自らの野望のためにこの話に乗る者います。そして当然、邪魔をする者も。例えるなら、宮中での権力争いを描いた、平安宮中版「白い巨塔」みたいな感じ。そこに陰陽師の不思議な力を絡めた、人間のぶつかり合いと呪術のぶつかり合いを静かに、そして淀みなく描いていきます。腕力勝負ではなく、戦略と人脈、そして呪術によって勝負されるそのドラマは、動きこそ乏しいものの、とにかく濃密でアツいです。この動きの乏しさが、結果として地味な印象になってしまうのかもしれませんが…。例えるなら、地味に手堅く面白い。そういう作品って、ハズレが少ないような気がするんですが、いかがでしょう。
~男ばっかですが、カワイイキャラがいるから~
ちなみに原作者のお二方ともBL畑の方ということもあり、登場するのは男ばっかりです。ホントに女性が登場しません。1巻では幽霊が出てきたくらいでしょうか。それと4巻にてかわいらしい女性が出てきたのですが、良いように使われてお終いという悲しい役柄(笑)加えて平安時代という時代背景もあってか、ほとんどの男が黒髪で、顔と髪型でしか人物判別できないという落とし穴が。しかも役人たちはみんな烏帽子かぶってますから、見慣れてないと分からなくなっちゃうかも。しかし女性不足、男性判別難もなんのその、そこはとってもかわいいマスコットキャラたちでカバーしましょう。まずは式神の存在。

4巻ではお菓子に喜ぶというとってもかわいらしい一面を見せてくれました。
そしてなにより依亨の相棒の無白がかわいい!
ほら!
え?かわいくないって?いやいや、最初はそうなんですって。じきに慣れてきて、気がつけば誰よりも愛くるしく見えてくるはずです。「夏目友人帳」(→レビュー)のニャンコ先生と一緒です。ポジションもニャンコ先生と同じですし、主人公の依亨もうらぶれながらも生きがいを見つけて成長していく感じが夏目に似ています。なんてちょいと話が逸れつつあるような気がしますが、この無白、笑いの少ない序盤において、唯一笑いを生み出してくれる良いキャラなんですよ。そしてツンデレさん。読んでいただければ、この子の魅力が分かるはずですよ!まぁ私がカエル好きってのもあるかもしれませんが…(けろけろケロッピとか好きだった)。
■購入する→Amazon
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bk1
3巻レビュー→ちょっとアヴァルスにシフトした?《続刊レビュー》「暁の闇」3巻

もう相手は
手段を選ばぬのだ
■4巻発売です。
龍の宮の周囲が俄にざわめきだす。龍の宮を再び宮中へと願い動く、由朔と冬智。法親王の後押しもあり、宮中への復帰がだんだんと現実を帯びてくる。そしてそれをさすまいと、必死に邪魔をしてくる左大臣。渦中の龍の宮の想いは?そして依亨はどう動くのか…。ますます目が離せない、新・平安絵巻、第四巻!
~改めてオススメを…~
この作品、個人的に凄く好きで、実は2009年のオススメ記事にも、ちゃっかり名前を入れていたりします。ランキングに入れようかは最後まで迷いました。しかしながら今ひとつ話題にならない…というか、そもそも認識すらされていない印象すらあるんですよね。そこで今回改めてオススメしてみようかな、と思います。ちなみに5巻が最終巻の予定。今一番の見所を迎えてますよ!
~あらまし~
舞台となるのは、平安時代。主人公は、名のある陰陽師の息子として将来を渇望されながら、今ではすっかりうらぶれてしまった青年・依亨。出世コースからも完全にはずれ、日々無気力に生きていた彼がある日大和の守の命で、人里離れた山荘に住む太子・惟喬親王 龍の宮の元に遣わされます。皇子にも関わらず人里離れた山荘にひっそりと暮らしているのは、過去に御所内で凶行に及んだため。身分・経緯は違えど、どこか似たような境遇に置かれています。良い噂を聞かない龍の宮に会うこの要件を面倒くさがっていた依亨ですが、実際に会ってみて、その聡明な姿に驚き、あっという間に心酔していきます。そしてこの出会いをきっかけに、徐々に龍の宮を後押しする存在が登場。再び宮中に戻すための動きが出来上がっていきます。

実際に龍の宮は聡明で、カリスマ性を発揮している。視点は依亨であるが、物語の軸となるのはこの男・龍の宮の存在。
一人のカリスマ・龍の宮という存在がおり、彼に魅了された者たちが彼の宮中復帰を願い動き回るというストーリー。ただ心から彼を信奉し後援する依亨のような存在もいれば、自らの野望のためにこの話に乗る者います。そして当然、邪魔をする者も。例えるなら、宮中での権力争いを描いた、平安宮中版「白い巨塔」みたいな感じ。そこに陰陽師の不思議な力を絡めた、人間のぶつかり合いと呪術のぶつかり合いを静かに、そして淀みなく描いていきます。腕力勝負ではなく、戦略と人脈、そして呪術によって勝負されるそのドラマは、動きこそ乏しいものの、とにかく濃密でアツいです。この動きの乏しさが、結果として地味な印象になってしまうのかもしれませんが…。例えるなら、地味に手堅く面白い。そういう作品って、ハズレが少ないような気がするんですが、いかがでしょう。
~男ばっかですが、カワイイキャラがいるから~
ちなみに原作者のお二方ともBL畑の方ということもあり、登場するのは男ばっかりです。ホントに女性が登場しません。1巻では幽霊が出てきたくらいでしょうか。それと4巻にてかわいらしい女性が出てきたのですが、良いように使われてお終いという悲しい役柄(笑)加えて平安時代という時代背景もあってか、ほとんどの男が黒髪で、顔と髪型でしか人物判別できないという落とし穴が。しかも役人たちはみんな烏帽子かぶってますから、見慣れてないと分からなくなっちゃうかも。しかし女性不足、男性判別難もなんのその、そこはとってもかわいいマスコットキャラたちでカバーしましょう。まずは式神の存在。

4巻ではお菓子に喜ぶというとってもかわいらしい一面を見せてくれました。
そしてなにより依亨の相棒の無白がかわいい!

え?かわいくないって?いやいや、最初はそうなんですって。じきに慣れてきて、気がつけば誰よりも愛くるしく見えてくるはずです。「夏目友人帳」(→レビュー)のニャンコ先生と一緒です。ポジションもニャンコ先生と同じですし、主人公の依亨もうらぶれながらも生きがいを見つけて成長していく感じが夏目に似ています。なんてちょいと話が逸れつつあるような気がしますが、この無白、笑いの少ない序盤において、唯一笑いを生み出してくれる良いキャラなんですよ。そしてツンデレさん。読んでいただければ、この子の魅力が分かるはずですよ!まぁ私がカエル好きってのもあるかもしれませんが…(けろけろケロッピとか好きだった)。
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