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咲坂伊緒「ストロボ・エッジ」6巻レビュー→
安堂のヘタレっぷりに拍車がかかってきたんですが… 《気まぐれ続刊レビュー》咲坂伊緒「ストロボエッジ」6巻7巻レビュー→
あれ、仁菜子ってこんなカワイかったっけ…?《続刊レビュー》「ストロボ・エッジ」7巻
咲坂伊緒「ストロボ・エッジ」(8)
ただ蓮くんをすきなだけなのに
どうして
こんなにもうまくいかないんだろう■8巻発売しました。
蓮が自分と変わらなく接してくれるのは、恋愛対象外の「友達」だから…。そう納得させる仁菜子だったが、蓮の態度が心を揺らす。誰かと恋する蓮の姿を見るくらいなら、玉砕覚悟でも「カノジョ」になれるようがんばる。そう決意した矢先に、安堂の中学時代の元カノ・真央が入学。蓮と安堂の仲を壊した原因を作ったと言われる彼女の言葉を聞いて、仁菜子は…!?
~蓮ついに所信表明!~ さて、なんだかよくわからない事態になっていますが、仁菜子は告白を決意。そして蓮も自分の思いをついに安堂に明かします。「俺、仁菜子ちゃんが好きだから」。そして…
俺は引かない、行くよ。 宣戦布告です。しかし蓮くん、言い寄られるのは慣れていても、自分からのアプローチの仕方がわからない。意外とヘタレというか、不器用さ全開の蓮がどうにも不格好で微笑ましかったです。例えばこれとか…
あからさま過ぎませんかー!?これ核心は付かなくとも、暗に「好きです」って言っているようなものですよ。きっと本人は最大限オブラートに包みつつ、好意を伝えているつもりなのでしょうが、ダダ漏れですよ、ダダ漏れ。いますよね、こういう男の子。というか私か?ああ、イタいイタい…過去の傷が…。一度フラレていて、かつ「友達として」という意識が強く働いている仁菜子だから何とかなったものの、普通だったらアウトのラインかと思われますよ、蓮さま。
~安堂と蓮のアプローチの仕方の違いが面白い~ ライバルの安堂が至近距離から積極的に直接攻撃を仕掛けるのに対し、少し距離をとりながら徐々に削っていく蓮の、このアプローチの仕方の極端な差が面白いですね。というか大半の男の子は蓮側で、安堂ってのはやっぱり特殊なんだな、と。ヘタレっぷりに拍車が…とか言ってましたが、同じラインに立ってその対峙の仕方の違いを見比べると、やっぱり安堂はモテキャラというか、女の子との向き合い方で一歩前を行っているな、という印象。しかしながら相手が悪かった…。仁菜子は安堂に見向きもしないというね。
~元カノ、真央は場を引っ掻き回すだけじゃなさそうな…~ そういえば、今回登場した元カノの真央が、なにやら怪しい匂いをさせていますよ。単に仁菜子の恋路を邪魔するってだけじゃなく、恋愛レースに負けた最大のライバルにあてがわれる、ぽっと出の女性キャラになるんじゃないかっていう。終わってみたら、安堂と真央がくっついていました…みたいな。そのためには、真央の過去および今の想いを彼女視点で描き出し、読者に味方を増やさなくてはなりませんが、次の巻あたりで描かれるのではないでしょうか。同じ学校にいる以上、問題解決後にさらっと身を引いていなくなるという選択肢が取れないことを考えても、その可能性は高いんじゃないかなぁ、と勝手に思っています。さてさて、どうなることやら。
~仁菜子はさらに敵を増やしたような気も~ 後半の仁菜子の決断は、より敵を増やしたような気がしました。最初は普通のヒロインだったのですが、物語が進むにつれて、妙にぶりっ子っぽくなったり、やけに美味しいポジションにいたり、それでいて鈍感だったりと、これ感情移入せずに俯瞰で見たとき、結構ムカつくんじゃないですかね。そこにきて、今回のあの判断ですよ。今まで反感を持っていた人はもちろん、彼女を応援していた人の中にも、
「なんだよ、その判断!いい子か!」とイライラした人はいるんじゃないでしょうか。
建て前は、
「二人の大事な関係を壊すわけにはいかない」ということなのですが、安堂からすれば、振り向いてくれなきゃどうにもならないわけで。結局のところこの行動は、蓮から見た安堂との関係に幸福が訪れること=蓮の幸せ重視であるという。それすら、仁菜子が好きな蓮からすれば迷惑な話なのですけどね。そこは仕方のないところなのかもしれませんけれど。
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