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2009.02.13
honeybitter.jpg小花美穂「Honey Bitter」


過去に…
囚われるのはもうやめにしたい
自分の未来のビジョンは
何も見えないけれど…   



■5巻発売です。
 未来が見える、心が読めるなど、特殊な力を持つために、身をひそめる思いで生きてきた珠里。そんな彼女だったが、叔母の調査室(何でもアリの探偵事務所みたいなもの)で働くことになり、これからは前向きに生きようと決意する。ところが調査室に行ってみると、そこには元カレ・吏己の姿が。人生で唯一付き合った相手で、彼女に男嫌いのトラウマを植え付けた男。嫌がる珠里だったが、なるべく同じ現場に向かわせないという約束で、渋々受け入れる。さらには彼女に一目惚れした陽太まで押し掛けてきて…!?
 
 いわゆる超能力というものを持ち、それが原因で暗い人生をおくってきた珠里。珠里のかつての恋人で、彼女にトラウマを負わせるほどに横暴。しかし再会してからは全くそういった素振りも見せずに、着実に仕事を遂行していく吏己。そこに、珠里に一目惚れして調査室に勝手に押し掛けてきた、お調子者の陽太を加えた3人で、一緒に仕事をするようになる。最初は嫌々の珠里だったが、仕事を通して彼ら、そして自分を改めて見つめ直すことにより、その関係に変化が見られていく…。

 小花先生といえば「こどものおもちゃ」ですが、この作品は対象年齢、内容ともに全く異なる内容になっています。ジャンルは、アクションサスペンス?いやミステリー?ヒロインが少々暗い性格なので、物語自体も重くなりがちですが、そんな中でも基本3枚目を貫き通す陽太。あんたかっこいいよ。


【オトコ向け度:☆☆   】
→「こどちゃ」のノリで読むのは良くないかもしれません。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→「こどちゃ」の幻影からいまだ抜け出せずにいる自分がいます。比べる必要はないのに、どうしても「こどちゃ」基準で見てしまう。作品自体は、上手くクッキー用にもっていったな、という感じ。その分はっちゃけたノリが見られないのが残念ですが、そういう話ではないのか。


作品DATA
■著者:小花美穂
■出版社:集英社
■レーベル:りぼんマスコットコミックスCookie
■掲載誌:Cookie(平成16年2月号~連載中)
■既刊5巻

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カテゴリ「Cookie」コメント (2)トラックバック(0)TOP▲
コメント

はじめまして、ヤマシタトモコさんのレビューから飛んできました。
小花先生といえば「こどちゃ」ですよね。
でも私的にこどちゃはこどちゃで結構人の汚いところというか弱い所とかいやらしい一面をまだ子供だったサナちゃんや羽山にどっぷりつからせてたような気がします。
小花先生は恋愛恋愛ではなく恋愛+何かをいつも表現してくれる作家さんなので好きです。

Honey bitter、確かに思考回路とかが年齢層上めじゃないと理解しづらい気がしますが、どうしてなかなか頑張ってると思います。リキとシュリの関係性がとても良い。でも最終的には陽太で落ち着いちゃうんだろうなぁ。

小花先生作品では「パートナー」「アンダンテ」ももしお時間があれば読んでいただきたいです。心臓えぐられますよー!

それと、こどちゃファンでしたらHoney bitterとコラボしたお話がクッキーで連載されてまして、その単行本がつい先日発売されましたのでもし機会があれば読んで頂けると良いかな、と思います。大人になったこどちゃキャラに会えますよ~!かきおろしの直澄くんのお話が必見です。

よく分からん内容ですいません。失礼します。
From: 通りすがり * 2011/01/01 00:23 * URL * [Edit] *  top↑
はじめまして。
小花先生の作品は「こどちゃ」はじめ「パートナー」、「アンダンテ」も読んでいるのですが、
やはり「こどちゃ」が圧倒的すぎて、自分の中でのハードルが高め設定されているような気がします。

書き下ろしで大人のこどちゃってのは噂で聞いていたのですが、
直澄くんの書き下ろしと聞いて俄然気になりだしました(笑)
From: いづき * 2011/02/06 09:42 * URL * [Edit] *  top↑

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