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Tag [新作レビュー] 2009.02.13
MOMO.jpg酒井まゆ「MOMO」


モモちゃんは
大魔王なのだ!



■小田切夢、高校1年生。最近ついていないことばかりで、ついには父親が蒸発。この歳で独り身に。「こんな世界滅びちゃえばいいのに」そんなことを考えていたある日、坂の上のデカイ家に越してきたかわいい女の子・モモちゃんと、その使いのふたりの男に出会う。「その願い、私なら叶えてあげられる」そうモモちゃんが言うと、周りの景色が宇宙に変わる。そして、夢が見ている前で星をひとつ破壊。モモちゃんは、何やらムズカシイ理由で邪魔な星を除去していく破壊者だったのだ。そして次のターゲットは地球。地球の滅亡を食い止めるには、地球の代表に選ばれた夢が、モモちゃんを期限内に7回喜ばせなければならないのだという。思わず世界の命運を担うことになった夢は、無事地球を救うことは出来るのだろうか!?

 地球を救うためには、大魔王であるモモちゃんを2年以内に7回喜ばせなければなりません。モモちゃんに懐かれ、地球の代表者に任命された夢は、大魔王を満足させるために奔走。大魔王と呼ばれるだけあって、ちょっとしたモノでは満足しません。とはいえまだ子供なので、思わぬコトでご機嫌になったり、その様子がかわいらしいです。必然的に一緒にいる時間が長くなるふたり。モモちゃんはどんどん夢になついていき、夢もモモちゃんへの愛情を重ねていきます。終盤ではもうひとりの破壊者が登場。さてどう落としていくのか。
 
 星の破壊を回避できるのならなんのために壊しているのか。夢の父は借金を残して蒸発したわけだけど、残された夢は大丈夫なのか。など、腑に落ちない点が目につく導入部。とはいえそれさえ乗り越えてしまえば、それなりに楽しめる内容になっています。あくまで子供向けのファンタジーでコメディですが。とはいえ1巻終了時点で獲得したのが1ポイントのみとは…結構ひっぱるつもりなのか?


【オトコ向け度:☆☆   】
→かわいらしいファンタジー作品が好きな方は。
【私的お薦め度:☆☆   】
→キャラが魅力的。子供が読むには十分ですが、大人が読むとなると少々キツいかも。「だぁ!だぁ!だぁ!」みたいに、序盤は既存の人物&枠組みだけで展開を…って余計なお世話ですね。


作品DATA
■著者:酒井まゆ
■出版社:集英社
■レーベル:りぼんマスコットコミックス
■掲載誌:りぼん(平成20年9月号~連載中)
■既刊1巻
■定価:400円+税

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カテゴリ「りぼん」コメント (4)トラックバック(0)TOP▲
コメント

こんにちは。

この作品、先日、本屋さんで見かけて気になっているのですが・・・「大人が読むとなると少々キツいかも」ですか。

掲載誌も『りぼん』ですからね・・・。

『りぼん』というと、楠桂さんは好きでしたが(『ぼくの学校は戦場だった』とか『妖魔』とか)、作品によっては(多分『恋してフローズン』あたり)こどもっぽ過ぎていまひとつテイストが合わなかった記憶があります。

どうしよう・・・。

「大人が読むとなると少々キツいかも」というのが、どの程度なのかご教示いただければ幸いです。
From: しろくま * 2010/03/14 21:51 * URL * [Edit] *  top↑
この作品ですが、物語としてはベテランの酒井先生らしく非常にまとまったものとなっています。
ただし登場人物が、モモちゃんをはじめとして、連載誌である低年齢向けのキャラクター付けをされているので、こういった作品を読み慣れていない場合は苦しいかな、と思った次第です。
このレビュー自体古いもので、当時は「少女漫画を読んだことがない男性」をターゲットに書いていたものですから、少々評価が低くなってしまいました。
りぼんをはじめ、昔から少女漫画に触れているような方であれば、問題無く楽しめる作品だと思います。
From: いづき * 2010/03/15 23:47 * URL * [Edit] *  top↑
こんにちは。

ご回答、ありがとうございました。

>りぼんをはじめ、昔から少女漫画に触れているような方であれば、問題無く楽しめる
>作品だと思います。

↑のお言葉に後押ししてもらって、先日、4巻まとめ買いしました。

すごく気に入りました。
私的には5つ星ものです。
(ただし、私の場合、SFファンタジーはそれだけで星が増える傾向にあります)

しかし、これって低年齢向けですかね?
MOMOやピコは何億年も生きているわりに幼稚園児のようですが、他のキャラはそれぞれ年相応のような。
一応、主人公は高校1年の夢なわけですし。

『父親が蒸発』は、たしかにつっこみどころですが(学校で問題になりそうですよね)、支えてくれる友人家族があるってことで、一応、何とかなってるってことになりますし。
これは、ふつうの女子高生が「地球なんか滅びてしまえ」と思ってしまうくらいのどん底に陥るための設定ですから、許せる範囲でしょう。
これくらいの設定もなく、「地球が滅びてしまえ」と思うような危険な思想な持ち主だったら、読者が感情移入できないですし、その後のMOMOとの関係も不自然になってしまいます。

なので、仕方ないってことで。

星の破壊や魔王がらみの設定は、まあ、ファンタジーですから。

『7回喜ばせる』っていうのがストーリー上、重要だったのでしょう。そうなると、どうやったって理不尽になります。
これも仕方ないです。

それよりも、マンガ作品としてしっかりと楽しめるハイクオリティなものになっているので、大いに楽しめました(もっとも、まだ2巻途中までしか読んでないですけど、残りはゆっくり大事に読むつもり)。

もっとも、表紙はいかにも低年齢向けって感じで・・・これ買うのはかなり恥ずかしかったです。
少女マンガ買うのなんて慣れきってますが、恥ずかしいと感じるのは初めて買ったとき以来かもしれないです。
From: しろくま * 2010/04/03 23:38 * URL * [Edit] *  top↑
MOMOは低年齢向けかなと思いましたが、
MOMO最終巻と同日発売のクレマチカ靴店は結構面白く読めました。
表紙も買いにくくはないかと思います。
お薦めです。是非読んでみて下さい。
From: ゾミー * 2011/06/21 08:19 * URL * [Edit] *  top↑

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