
野郎ども
熱い宴のはじまりじゃい!!
■都内某所・北都町…。この平穏な町の裏側ではうさぎ組とひよこ組という、二つの極道組織が、しのぎを削る激しい抗争を、日夜繰り広げていた。ひよこ組を引っぱるのは、黒髪ダンディなタケ。うさぎ組を引っぱるのは、喧嘩っ早く血の気の多いナオ。道を極める漢たちの、血と汗と漢にまみれた日々を、ご堪能くださいませませ。
アットホーム極道ギャグコメディ…って何だそりゃと思われるかもしれませんが、まさにその通り。平和な町・北都町で繰り広げられる、極道二大勢力ひよこ組とうさぎ組の争いを描いた、おバカ漫画でございます。どの辺がバカなのかというと、もう組の名前の所である程度想像はつくでしょう。争いの程度が小学生レベルという、ギャップ萌えのギャグ漫画なのでございます。煙草ではなくキャンディを好み、隠れてアニメを楽しみ、お祭りに行けば大はしゃぎ。極道というダーティで恐ろしいイメージの中に、子供っぽいエッセンスを落とし込むという手法で、ほぼそれのみで展開されます。

全力でこんな感じ。ハイテンションにシュール。
一貫したワンパターンには、飽きどころかむしろ美しさすら感じてしまいます。それほどまでに徹底された、ネタの繰り出し方。引き出しが無いということもあるまい。恐らく全部狙ってのことなんでしょう。そしてそれがハマるかは読者次第。極道がオモチャやお菓子やイベントに夢中になるということを、面白いと思えなければ、もうこの作品を楽しむことはできないでしょう。ワンアイデア作品ゆえにそういった側面を持つことは致し方ないのですが、これに関しては間口が結構狭そうな印象。基本的に1ネタ目からブレずに進行し、その後何か捻りがあるかというわけでもないので、極端なことを言えば最初で全て出しきってしまっている状況。ここから何か広がりを期待できるわけでもないので(あったとしても、キャラのバリエーションぐらい)、シリーズとしては少々しんどいような気もします。
ギャップを描くのだったら普段もっと極道チックなことさせておけばいいのに…とか、攻めてオチに変化をつけられるようにツッコミを配置したらいいのに…とか考えるのは、邪道なんでしょうか。とりあえず表紙が全てを物語っているような気もするので、そこにて判断していただければ。「アットホーム」というのはなかなか的確な表現で、不思議な安心感をもって読むことができる作品となっています。
【男性へのガイド】
→さてこれに萌えられる男はどれだけいるのだろう。ギャグとはいえ、ギャグは弱い気も。
【私的お薦め度:☆☆ 】
→こういう作品は、一部の人に大絶賛されて、その他の人からはあたたかい目で見守ってもらうというポジションが似合う気が。個人的にはもっと刺激が欲しいのです。
作品DATA
■著者:清水アイ
■出版社:マッグガーデン
■レーベル:ブレイドコミックアヴァルス
■掲載誌:アヴァルス(2009年5月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:571円+税
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