作品紹介→*新作レビュー* 日向なつお「ありをりはべり」
日向なつお「ありをりはべり」(2)
一緒にいる時間は
いつか
恋になる…?
■2巻発売しました。
部室棟事件のせいで、学内のフシギ系便利屋になってしまった地歴部。そんな地歴部に入って早数ヶ月、神様が見える棗は、唯一そのことを知る須佐と一緒に、妙に人間クサい神様たちの悩みを聞くことに。部室の神棚に居座る白蛇のミーシャをはじめ、とことんマイペースなタテミナ様、そして今回は瓶についた亀の付喪神にストーカーの神様!?一方部内には、「恋」という名のさらなる難問が…!?
~早くも2巻発売~
1巻発売から2か月で2巻発売という好ペース。別に2巻で完結とかではありません。前回にてほぼ人物が出揃った感のあるこのお話。どのように話を展開させていくのか楽しみだったのですが、基本は1巻での出来事を起点とした、地歴部のフシギ系何でも屋化からの展開。怪しい出来事、不思議な出来事があれば、とりあえず地歴部へ持っていこうという形が作られ、そしてそれには必ず神様が関わっている…というおいしい流れ。
~人でない存在から人間らしさを学べる所以~
これはこの作品に限ったことではなく、例えば「夏目友人帳」(→レビュー)や「まぼろしにふれてよ」(→レビュー)にも言えることなのですが、登場する妖怪や神様は、皆人間クサく、登場人物たちはそういった人外のものを相手にすることによって、人の心や振る舞いを学んでいきます。一見すると不思議なルートですが、そもそもここに登場する神様や妖怪たちは、人間が信仰・意識するからこそ存在できるものであるため、自ずと人間との関係というのは深いものになっています。また人間とは違い、比較的シンプル(純粋)な思考を持っている傾向が強く、そのために人間の見つめるべき・大事にするべき感情を、彼らの姿の中に直に見ることができる、となんとなく自分で納得しています。たとえばもの凄く善良な人間がいたとしたら、どこかうさんくさく見えてしまう場合でも、それが妖怪や神様という存在に置き換えれば、納得して見ることができる…というような。
~恋愛でも魅せる魅せる~
さて、そんな心温まるストーリーが多い中、別の方面でもホットホットでしたよ、2巻は!神様との繋がりだけじゃない、人間同士の繋がりの中にも、目の話せない素敵な物語が描かれたのです。それがしっかり者の先輩・普門寺さん。

クールビューティー普門寺さん
1巻のときからしっかり者のオーラを出しまくり、頼りがいがありそうと思わせながらもどこか近付き難い雰囲気を漂わせていた彼女。その言動と表情から、「なんだか全てを見透かしていそうで、人間というより神様に近いんじゃないか」とすら感じさせていたのですが、2巻では思わぬ表情を見せることになります。それが、恋する乙女としての一面。しかもその相手というのが…
部長
ええええええええええええ!いや、彼女は慧眼の持ち主ですから、きっと何かすごく特別な理由があるに違いない…ってなんのことはない、二人はずっと幼なじみで、彼は彼女にとっての風早くんだったってことでした。しかし普門寺さん、とにかくその想い方が見ためとは裏腹でとっても健気で健気で健気で健気で、本当にかわいいんです。強歩大会というマラソン大会的な学校行事では、彼と歩きたいがために一生懸命走ったり、受験を控えた時期になれば、彼の合格祈願のためにわざわざ神社に足を運んだり…。幼なじみなのに、彼女の方が絶対恋愛ランクでは上にいるはずなのに、でも年下だから…それでこその、この距離感ですよ!もうね、あんたほんとにどんだけ好きなんだ、と。どんだけ恋しているんだ、と。ヘタしたら入部したのだって彼がいたからかも…とか考えるとよるも眠れないです。こんな子に想われている部長、アンタは本当に幸せ者だよ。でもきっと気づかないんだろうなぁ、彼は。そんでもって、普門寺さんはそんな彼が好きなんだよなぁ。ああ、何この理想の幼なじみ。こんな二人にも出会える、「ありをりはべり」2巻、オススメでございますよ!
■購入する→Amazon
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一緒にいる時間は
いつか
恋になる…?
■2巻発売しました。
部室棟事件のせいで、学内のフシギ系便利屋になってしまった地歴部。そんな地歴部に入って早数ヶ月、神様が見える棗は、唯一そのことを知る須佐と一緒に、妙に人間クサい神様たちの悩みを聞くことに。部室の神棚に居座る白蛇のミーシャをはじめ、とことんマイペースなタテミナ様、そして今回は瓶についた亀の付喪神にストーカーの神様!?一方部内には、「恋」という名のさらなる難問が…!?
~早くも2巻発売~
1巻発売から2か月で2巻発売という好ペース。別に2巻で完結とかではありません。前回にてほぼ人物が出揃った感のあるこのお話。どのように話を展開させていくのか楽しみだったのですが、基本は1巻での出来事を起点とした、地歴部のフシギ系何でも屋化からの展開。怪しい出来事、不思議な出来事があれば、とりあえず地歴部へ持っていこうという形が作られ、そしてそれには必ず神様が関わっている…というおいしい流れ。
~人でない存在から人間らしさを学べる所以~
これはこの作品に限ったことではなく、例えば「夏目友人帳」(→レビュー)や「まぼろしにふれてよ」(→レビュー)にも言えることなのですが、登場する妖怪や神様は、皆人間クサく、登場人物たちはそういった人外のものを相手にすることによって、人の心や振る舞いを学んでいきます。一見すると不思議なルートですが、そもそもここに登場する神様や妖怪たちは、人間が信仰・意識するからこそ存在できるものであるため、自ずと人間との関係というのは深いものになっています。また人間とは違い、比較的シンプル(純粋)な思考を持っている傾向が強く、そのために人間の見つめるべき・大事にするべき感情を、彼らの姿の中に直に見ることができる、となんとなく自分で納得しています。たとえばもの凄く善良な人間がいたとしたら、どこかうさんくさく見えてしまう場合でも、それが妖怪や神様という存在に置き換えれば、納得して見ることができる…というような。
~恋愛でも魅せる魅せる~
さて、そんな心温まるストーリーが多い中、別の方面でもホットホットでしたよ、2巻は!神様との繋がりだけじゃない、人間同士の繋がりの中にも、目の話せない素敵な物語が描かれたのです。それがしっかり者の先輩・普門寺さん。

クールビューティー普門寺さん
1巻のときからしっかり者のオーラを出しまくり、頼りがいがありそうと思わせながらもどこか近付き難い雰囲気を漂わせていた彼女。その言動と表情から、「なんだか全てを見透かしていそうで、人間というより神様に近いんじゃないか」とすら感じさせていたのですが、2巻では思わぬ表情を見せることになります。それが、恋する乙女としての一面。しかもその相手というのが…

ええええええええええええ!いや、彼女は慧眼の持ち主ですから、きっと何かすごく特別な理由があるに違いない…ってなんのことはない、二人はずっと幼なじみで、彼は彼女にとっての風早くんだったってことでした。しかし普門寺さん、とにかくその想い方が見ためとは裏腹でとっても健気で健気で健気で健気で、本当にかわいいんです。強歩大会というマラソン大会的な学校行事では、彼と歩きたいがために一生懸命走ったり、受験を控えた時期になれば、彼の合格祈願のためにわざわざ神社に足を運んだり…。幼なじみなのに、彼女の方が絶対恋愛ランクでは上にいるはずなのに、でも年下だから…それでこその、この距離感ですよ!もうね、あんたほんとにどんだけ好きなんだ、と。どんだけ恋しているんだ、と。ヘタしたら入部したのだって彼がいたからかも…とか考えるとよるも眠れないです。こんな子に想われている部長、アンタは本当に幸せ者だよ。でもきっと気づかないんだろうなぁ、彼は。そんでもって、普門寺さんはそんな彼が好きなんだよなぁ。ああ、何この理想の幼なじみ。こんな二人にも出会える、「ありをりはべり」2巻、オススメでございますよ!
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