作品紹介→音久無「花と悪魔」
6巻レビュー→テンパイ…いやリーチって言ったほうが伝わるのかな?《続刊レビュー》「花と悪魔」6巻
音久無「花と悪魔」(7)
どうかビビが
この「想い」に
気づきませんように
■7巻発売しました。
エノリアとフェルテンを仲直りさせるために訪れた魔界のお茶会。魔王の嫌がらせによって、ビビはフットマンを務めることになる。それをいいことに、ビビの婚約者のローゼマリーは、ここぞとばかりに彼をかしずかせる。そしてそれを目の当たりにしたはなは、なんだかもやもやとした気持ちを大きくさせていった。一方フェルテンは婚約者候補の男爵がエノリアの肩を抱く姿を見て、つい本音が…?静かに動き出し、徐々に加速するそれぞれの恋愛模様に、目が離せない!!
~7巻は面白かったです!~
7巻発売しました。あっという間の7巻ですね。今回はエノリアとはなの、恋物語2本立て。どちらも進展があったので、久々に読んでてわくわくできました。それでは7巻読んでいて思ったことでもつらつら書いていきましょうかね…
~フェルテンの愛すべき情けなさ~
7巻にて、フェルテンがエノリアの思いを拒みつづける理由が明らかになります。それは、女性好きで穢れていくばかりの自分や他の女性とは違い、彼女にはいつまでも穢れずに綺麗でいて欲しいという思いから。そのためには、相手が穢れた自分ではだめなのだ、と。意外にもピュアでロマンチックな思考の持ち主でしたよ、フェルテンは。しかしその思いを貫くのであれば、さっさと彼女を突き放してしまえばいいはず。当事者であるエノリアも、振り向いてくれないフェルテンに対し、
と明言しています。けれども彼はそれができませんでした。「穢れなき、美しい姿のままでいて欲しい」そんな願いを持ち、「自分ではなく、ふさわしい他の誰かを」と言い聞かせながらも、自ら突き放すことはしなかった。フェルテンさん、あんた情けないよ!そしてそんなあんたが大好きだ!勝手に相手に幻想を抱き、彼女から好意を向けられても相応しくないと拒み、それでも離れられるのは嫌だからついつい側に置いてしまう…何この痛い姿。なんとなく語りが上手かったから、加えてイノセントな存在であるはながとなりにいたから、美しく映ったものの、この姿は結構情けなくて痛いですよ?まさかこんなに純情な悪魔だとは思ってませんでした。いやぁ、素敵です。
~はなの変化~
さて、一方のはなも、再びビビへの恋心を復活させました。もう女の子ってのは恋を自覚すると途端に大人っぽく、まるで別人のようになってしまうんですよね。はなもまた、ビビへの想いを自覚して以降、それまでの子供っぽい印象から一転、ちゃんと色々考えられるしっかりした女の子へと変貌しました。といっても日々の生活云々で変化があるというわけではなく、あくまでビビとの関係についてという制約つきですが。

「ヤキモチ」という感覚を覚えたり、恋心とのつき合い方を考えたり、果ては自分の胸のサイズまで気にし出す始末。はななんて、つい最近までビビとトーニとしか関わりを持っていなかったおこちゃま中のおこちゃまですよ?それがこんなにも変わるとは。無邪気に「好き」と伝えて、ワガママに「一緒にいて!」と言いそうなものでしたが、そうはいきませんでしたね。
なんて、はながビビへ想いを伝えることを拒む理由は、ただ一つ。「伝えることで、これまでの関係が壊れてしまうかもしれない。ずっと一緒にいられなくなってしまうかもしれない。」という不安があるから。元々家族愛的なところからスタートした二人の関係ですから、それまでに積み上げてきた「大切なもの」はとっても多いはず。家族愛から恋愛への転換を、両者で同期させるというのは非常に難しいことで、はなが恋心を封印してしまおうと考えるのも当然の流れと言えます。家族愛発進というのは、「この関係が壊れてしまったらどうしよう…だから伝えられない!」という状況を生かすための、最高のカードといえるかもしれませんね。そしてそれが解消されたらいよいよゴール…のはず。8巻に再び魔界に馳せ参じるようですが、はたしてどのような展開になるのやら。とりあえずビビサイドの描写がまだまだされていないので、それがどうなるかですかねー。今回楽しかっただけに、次も楽しみです。
■購入する→Amazon
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6巻レビュー→テンパイ…いやリーチって言ったほうが伝わるのかな?《続刊レビュー》「花と悪魔」6巻

どうかビビが
この「想い」に
気づきませんように
■7巻発売しました。
エノリアとフェルテンを仲直りさせるために訪れた魔界のお茶会。魔王の嫌がらせによって、ビビはフットマンを務めることになる。それをいいことに、ビビの婚約者のローゼマリーは、ここぞとばかりに彼をかしずかせる。そしてそれを目の当たりにしたはなは、なんだかもやもやとした気持ちを大きくさせていった。一方フェルテンは婚約者候補の男爵がエノリアの肩を抱く姿を見て、つい本音が…?静かに動き出し、徐々に加速するそれぞれの恋愛模様に、目が離せない!!
~7巻は面白かったです!~
7巻発売しました。あっという間の7巻ですね。今回はエノリアとはなの、恋物語2本立て。どちらも進展があったので、久々に読んでてわくわくできました。それでは7巻読んでいて思ったことでもつらつら書いていきましょうかね…
~フェルテンの愛すべき情けなさ~
7巻にて、フェルテンがエノリアの思いを拒みつづける理由が明らかになります。それは、女性好きで穢れていくばかりの自分や他の女性とは違い、彼女にはいつまでも穢れずに綺麗でいて欲しいという思いから。そのためには、相手が穢れた自分ではだめなのだ、と。意外にもピュアでロマンチックな思考の持ち主でしたよ、フェルテンは。しかしその思いを貫くのであれば、さっさと彼女を突き放してしまえばいいはず。当事者であるエノリアも、振り向いてくれないフェルテンに対し、
フェルテンが婚約解消を切り出さない限り諦めないんだから
と明言しています。けれども彼はそれができませんでした。「穢れなき、美しい姿のままでいて欲しい」そんな願いを持ち、「自分ではなく、ふさわしい他の誰かを」と言い聞かせながらも、自ら突き放すことはしなかった。フェルテンさん、あんた情けないよ!そしてそんなあんたが大好きだ!勝手に相手に幻想を抱き、彼女から好意を向けられても相応しくないと拒み、それでも離れられるのは嫌だからついつい側に置いてしまう…何この痛い姿。なんとなく語りが上手かったから、加えてイノセントな存在であるはながとなりにいたから、美しく映ったものの、この姿は結構情けなくて痛いですよ?まさかこんなに純情な悪魔だとは思ってませんでした。いやぁ、素敵です。
~はなの変化~
さて、一方のはなも、再びビビへの恋心を復活させました。もう女の子ってのは恋を自覚すると途端に大人っぽく、まるで別人のようになってしまうんですよね。はなもまた、ビビへの想いを自覚して以降、それまでの子供っぽい印象から一転、ちゃんと色々考えられるしっかりした女の子へと変貌しました。といっても日々の生活云々で変化があるというわけではなく、あくまでビビとの関係についてという制約つきですが。

「ヤキモチ」という感覚を覚えたり、恋心とのつき合い方を考えたり、果ては自分の胸のサイズまで気にし出す始末。はななんて、つい最近までビビとトーニとしか関わりを持っていなかったおこちゃま中のおこちゃまですよ?それがこんなにも変わるとは。無邪気に「好き」と伝えて、ワガママに「一緒にいて!」と言いそうなものでしたが、そうはいきませんでしたね。
なんて、はながビビへ想いを伝えることを拒む理由は、ただ一つ。「伝えることで、これまでの関係が壊れてしまうかもしれない。ずっと一緒にいられなくなってしまうかもしれない。」という不安があるから。元々家族愛的なところからスタートした二人の関係ですから、それまでに積み上げてきた「大切なもの」はとっても多いはず。家族愛から恋愛への転換を、両者で同期させるというのは非常に難しいことで、はなが恋心を封印してしまおうと考えるのも当然の流れと言えます。家族愛発進というのは、「この関係が壊れてしまったらどうしよう…だから伝えられない!」という状況を生かすための、最高のカードといえるかもしれませんね。そしてそれが解消されたらいよいよゴール…のはず。8巻に再び魔界に馳せ参じるようですが、はたしてどのような展開になるのやら。とりあえずビビサイドの描写がまだまだされていないので、それがどうなるかですかねー。今回楽しかっただけに、次も楽しみです。
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