田中メカ「7月の魔法使い」
あんたのパンツを相手が見る時は
もうあんたのことが好きなんだから
何をはいたって
男にとっちゃ可愛いだろ
■舞台は進学科と体育科２つのコースを持つ鷹ノ爪高校。ちなみに進学科と体育科はとても仲が悪い。その高校を舞台にした３つの恋模様を、極上のトキメキと共にお届け。
とりあえず表題作「７月の魔法使い」をご紹介。主人公・寺田健康（体育科）は、追試という現実から逃避するため、屋上に逃げ込んでいた。そこで何やら妙にテンパっている進学科の女子・日向香織に出会う。なんでも彼女は進学科のアイドルのファンクラブ会員で、２週間後に会員特典としてそのアイドルとデートすることになっているというのだ。そこで寺田は、女としてのスキルアップのお手伝いをする代わりに、彼女に追試の対策を施してもらうという約束を交わす。その日から放課後の妙な密会が始まった…。
続く「王子様、11月のユウウツ」は、その進学科のアイドルが主人公。こちらはモテ男である主人公が、クラスメイトに頼まれ「魔女」と呼ばれる女教師に近づくというお話。さらに連作最後のタイトル「10月の女王と僕」は、女王サマでツンデレな体育科の女子と、幼なじみで完全に「下僕」な進学科の男子のお話。ちなみにこのヒロインは、表題作での主人公の姉。この３作の他に、読切り１編を収録。
田中メカ先生といえば「キスよりも早く」という悶え度MAXな作品を連載中ですが、この作品でもなかなかトキメかせてくれます。ごく普通の、むしろベタともいえる設定で、極上のトキメキを提供。それこそがメカ先生の神髄。個人的には表題作「７月の魔法使い」がヒットでしたね。それぞれのお話が、少しずつ関連しているので、普通の読み切り集より楽しんで読めるかもしれません。
【オトコ向け度：☆☆☆ 】
→男メインの話が多いんですけど、トキメキが増すほどにオトコ向けでなくなる気がするのは私だけでしょうか？いやそれでこそ少女マンガなわけだけど。
【私的お薦め度：☆☆☆☆☆】
→トキメキトキメキ言っておきながらチョイスした台詞はこれかよ、と。でもこれこそ真理だと思えた台詞です。えーと、お薦めです、ハイ。
作品DATA
■著者：田中メカ
■出版社：白泉社
■レーベル：花とゆめCOMICS
■掲載誌：LaLaスペシャル(平成18年8月号，平成20年10月号)，LaLa DX(平成18年11月号，平成14年5月号←読み切り「午前の森」)
■全１巻
■定価：400円＋税
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