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Tag [オススメ] [新作レビュー] 2009.02.16
私の血はインクでできているのよ久世番子「私の血はインクでできているのよ」


あの頃の自分に贈る言葉…
よく聞け!
20年後お前が描いてる
まんがはほぼ裸で
毛は一本だ!!



■「暴れん坊本屋さん」や「番線―本にまつわるエトセトラ」など、エッセイ漫画で人気を博する久世番子さん。今回は自分の漫画家になるまでの爆笑の過程を赤裸々に綴った内容になっております。誰しもがひとつとならず持っているイタい過去「黒歴史」。本当であればそのまま闇の中に葬り去っておきたい出来事を、あえてほじくりかえしてネタにする。しかも当時描いた絵を載せるという強気の姿勢…。では番子さんの黒歴史の一部を見てみましょう。

・中学時代、かっこいい!という思いだけから、生徒手帳に光明真言(梵字)を忍ばせ、九字を切る練習をしたり、旅館を清め出したりしていた
・2次元の相手に本気で恋をしていた
・高校時代、鉄道の駅員さんの制服に憧れて、同人本を3冊も作ってしまう
・初めて作った同人本、奥付に本名&住所がバッチリ印刷してあるために捨てるに捨てられない etc.…

 これを当時の絵を交えて繰り出してくるわけですから、面白くないわけがない!
 番子さん、もぉアンタ最高だぁ!!
 
 ちなみに本編のラストでネタとして使われている作品は過去にご紹介しておりますので、こちらもどうぞ→久世番子「ふたりめの事情」


【オトコ向け度:☆☆☆☆ 】
→読みやすいです。エッセイまんがですが、スタンスは「ちびまる子ちゃん」みたいな。
【私的お薦め度:☆☆☆☆☆】
→番子さんは期待を裏切りません。オススメです。ただ久世さんの作品を知っているからこそって感じもありそう。それでも十分面白いと思いますが。


作品DATA
■著者:久世番子 作者サイト→「大西電電
■出版社:講談社
■レーベル:ワイドKC Kiss
■掲載誌:Beth(vol.1~vol.8), KissPlus(2008年3月号~11月号,2009年1月号)
■全1巻
■定価:667円+税

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