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Tag [新作レビュー] 2010.05.10
あなたに花を捧げましょう表紙大海とむ「あなたに花を捧げましょう」(1)


お前にも誰かに押しつけられてじゃなく
おまえの意思で決めてほしいんだ
俺と結婚することを



■全国でも有数の資産家の娘・畑中セリには、10歳の時に決められた結婚相手がいた。その相手は、幼なじみで年下の古御堂柚月。同い年で幼い頃からお互い知っている二人だったが、セリは家同士が勝手に決めた時代錯誤な政略結婚に不満たらたら。結婚は自分の決めた相手としたいし、柚月は無愛想でなんだか気に食わない。そんなある日、所用で入った柚月の実家にて、不思議な体験をする。目の前に、昔の格好をした幽霊たちが現れ、セリに柚月と早く結婚をしろとけしかけてきて…!?

 前作「ミッドナイトセクレタリ」(→レビュー)では、ヴァンパイアというファンタジックな要素を投入して物語を展開してきた大海とむ先生。今回は、幽霊や呪いといった和風ファンタジックな設定で勝負してきました。ヒロインは、国内でも有数の資産家の娘・セリ。彼女には親に決められた柚月という結婚相手がいるのですが、彼女はそれが気に入らない。今どき許嫁なんて時代錯誤もいいところだし、そもそも相手の事が好きではない。断固として反対するセリでしたが、発言権の強い双方の両親の意見を、そう簡単に曲げることはできません。結局、自分の意志が固まるまで待ってもらうという方向で保留となったのでした。そんなわけでとりあえず相手の実家に向かったセリは、そこで不思議な体験をすることに。誰もいないはずのふすまの向こうから声がするので覗いてみると、そこには無数の古御堂家の先祖の幽霊が。突然の出来事にびっくりしたのも束の間、セリはさらに驚きの事実を知らされることになります。古御堂の男子が早世しやすい家系であり、柚月もその危険にさらされているということ。そして早く跡継ぎを残すためにも、セリにヨメになって欲しいというのでした…。


あなたに花を捧げましょう
ヒロインのセリは極度の恐がり。優しい幽霊でもなかなか慣れない。そのリアクションや良し。


 親の持ち出した結婚話に反発するヒロインと、それを反対することなく受け入れようとする相手、そしてそんなふたりを見守る相手の先祖の幽霊という構図のお話。相手の家系は男子が生まれにくく、生まれたとしてもすぐに亡くなってしまうという、イワクツキの家系。それは体質遺伝的なものではなく、「呪い」のような類いの不自然さ。そしてヒロインの結婚相手である柚月もまた、そんな呪いの危険にさらされているのでした。最初は反発していたヒロインも、そのことを知り柚月に理解を示し、徐々に彼に歩み寄るように。しかし大きくなっていくのは恋愛というよりも、同情や義務感といった感情。恋心であれば大手を振って彼の側にいられるものの、そうではないので思い悩む日々が続きます。序盤はお互いの想いをどう結びつけていくかというのが見所。こういった状況に置かれている中で、どう相手と自分を納得させ、歩み寄れるのか。先祖の幽霊の助言などもありつつ、設定を上手く使いこなしながら物語は進んで行きます。
 
 大海とむ先生は少し変わった設定を用意しても、さらっと使いこなしてしまうからすごい。今回も、ちょっとしたところから本筋に至るまで、ビシッと辻褄が合っています。物語の好き嫌いはともかく、この設定使いの上手さは誰もが唸るはず。物語自体は、幽霊に呪いという少し不思議な存在が出てくるラブストーリーということで、絵柄なども相まってかどちらかというと秋田書店のボニータとかで連載していそうな感じ。序盤にて両想いが確定し、「結局この運命の中どう選択して行くのか…というところが焦点になるのかな」なんて思っていたのですが、そうではなく、呪いの所在からその解決という方向に行く気配。2巻へ続くにあたって、もう一回り物語が大きくなりました。それでこその幽霊たちなのでしょうし、やっぱり上手いなぁ。


【男性へのガイド】
→ややお耽美な絵柄・作風。プチコミ作品は男性には難しい所があるのでは。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→キレイにまとめて、1巻ラストにもう一回り大きく。この流れは上手い。時代感はちょっと懐かし目ですが、そういった少女漫画に触れてきた方であれば、問題無く楽しめる作品だと思います。


作品DATA
■著者:大海とむ
■出版社:小学館
■レーベル:プチコミフラワーコミックス
■掲載誌:プチコミック(2010年1月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazonbk1

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