このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [続刊レビュー] 2010.05.23
作品紹介→御徒町鳩「腐女子っス!」
関連作品紹介→*新作レビュー*御徒町鳩「みどりのまきば」



1102919458.jpg御徒町鳩「腐女子っス!」(3)




恋って
伝染するのかと思ってたけど
想いが巡ってるんだ



■3巻発売です。
 同じ高校に同じ部活の仲良し“腐女子高生”。それぞれに彼氏も出来て、リア充な腐女子生活送ってます!そんな腐女子たちのオタク友&先輩のタケちゃんに、ユキに恋敗れて以来の新しいラブの予感が。幼稚園の時からの幼なじみの女の子が現れたのだ。これでいよいよ吹っ切れる!?また受験を控えた先輩との、ハゲ萌えだけどブワっと涙の卒業が…ますます目が離せない波乱の3巻スタートです!


~「ちょwwwおまww的」ってナンデスカ…~
 裏表紙的には、「ちょwwwおまww的キュン萌え青春グラフィティ」らしいですよ。ごめんもう一度説明してくれるかな(´・ω・`)というわけで3巻発売です。仲良し腐女子高生3人組に、揃って彼氏ができて、存分にリア充臭を漂わせながらはじまった3巻。今度はタケちゃん先輩に恋の予感です。前回登場した、幼なじみの女の子・石岡ゆり。メガネに黒髪とか、狙ってますね。なんて彼女の話はあと回し。まずは個人的に嬉しかった、冬コミでのコスプレ話のことから。


~「とらドラ!」コスでまるまる1話!~
 「萌えつきの冬コミ」ということで、コスプレイヤーのユキから、「みんなでコスプレしていかない?」との提案が。そしてした格好というのが…


腐女子っス!3-1
なんと「とらドラ!」。逢坂大河に高須竜児に川嶋あみ。美少女のめぐみが川嶋亜美役というのはなかなかハマっていていいですね。しかし個人的には大河コスをして恥ずかしがるえりの方が(ry


 まさかこの作品とは。全く予想していなかったので驚きました。しかも小ネタでちょこっと描かれるのではなく、コミケ回の14話全編に渡ってそのネタが貫かれるという、ある意味VIP待遇。てか腐女子の皆さんは「とらドラ!」コスとか普通なんですか?女性向け作品でこのネタってのもそうですが、これ絶対ないけどマーガレットとかでやってもほぼみんなわからないという感じになりそうで、このネタが通用してしまうシルフの素晴らしさを改めて思い知ったのでした。ちなみに「とらドラ!」は原作の電撃コミックスもコミカライズ作品も、「腐女子っス!」と同じアスキー・メディアワークスから刊行されている作品なので、このコラボも問題なし。オタクネタに困らない出版社だからこそできる芸当とも言えるわけで、そりゃシルフ、月刊化するよなぁ、と(たぶん違う)。
 
 これは完全に余談になりますが、「とらドラ!」は男性向け作品の中でも、比較的女性に読みやすい作品であると思ってます。やや色モノ設定ではありますが、その辺はラノベスタンダードなのでしょう。甘々でもないですし、それなりにちゃんと恋愛したりしていて、結構少女漫画的エッセンスが含まれていたり。個人的にとっても好きな作品だったりします。そりゃもう亜美ちゃんが素敵でさ…ホントいい話だったのになんでいきなり駆け落ちとk…(以下略)


~石岡さんの話し方からわかる、二つのこと~
 さて、最初に少し言及した、タケちゃん先輩の幼なじみ・石岡ゆりちゃんについて。黒髪にメガネで、ケータイより文通が良いという設定。かなり狙っている感がありますが、彼女もまた、オタク女子の一人。分類としては、コミュニケーション不全でなかなかクラスの輪に溶け込めない、地味な子という感じでしょうか。それを裏付けるように、彼女は小学生の時に山形に越したのに、未だにキレイな標準語を喋っています。


腐女子っス!3-2
こっちに来て10年。それでもえりはキレイな標準語を話す。


 小学生ぐらいのときにそこに越すと、イヤでも方言がうつるものだと思うのですが、彼女はまったくうつっていません。相手が山形弁(?)を話していても、あくまで標準語。何気なく描かれている状況ですが、これは
 
1、方言がうつるほど友達と話していない(=コミュ経験の少なさ)
2、相手の喋りをミラーリングする技術がない(=コミュ力の低さ)

 という二つの彼女のコミュニケーションに関する能力を物語っています。さらっとこういう設定を溶け込ませる御徒町先生、すごいっす。喋り方ひとつで、大体の彼女の人付き合いの過去と今を感じさせてしまうという。


~萌えとラブは両立できますか?~
 腐女子ライフも女子高生ライフも充実のヒロイン3人ですが、この3人の彼氏との対峙の仕方で少し気になった点が。普段は男の子を見て「萌え」だ「攻め」だ「受け」だと腐女子アンテナを全開にしている彼女たちですが、いざ彼氏と向き合うと、「萌え」アンテナが全くなくなっているように見えるのです。「萌え」と「ラブ」は別物というのはわかっているものの、好きな相手に「愛しさ」や「恥ずかしさ」ではなく「萌え」を感じる瞬間だってあるのではないのかな、と。今はまだそんなこと感じる余裕がないだけなのか、感じているけど外に出していないだけなのか。それとも「それはそれ、これはこれ」と完全に切り替えて恋愛をしているのか。恋心というピュアな感情に、“腐”というなんとなくネガティブな感情を持ち込みたくないのかな(自分の恋心のため、相手を汚さないため)、とか、当事者である上に立場的に対等であるため、視点切り替えによる腐視点が介入する段階にないのかな、とか、色々考えてしまいます。「腐女子高生の恋愛」がテーマだとするならば、「萌え」も切っても切り離せないテーマであるはず。4巻ではその辺の感情の動きに注目して、作品を楽しみたいと思います。 



■購入する→Amazonbk1

カテゴリ「シルフ」コメント (2)トラックバック(0)TOP▲
コメント

エリちゃんのダーリン発言といだじの赤面にやられた4巻でした☆
さすがよいBL作家だわ(笑)
From: ぼー * 2010/05/25 20:04 * URL * [Edit] *  top↑
いや、今回はかなり面白い内容だったと思います
ニヤニヤありーの、切なさありーの。
続きが楽しみですね!
From: いづき * 2010/05/28 00:19 * URL * [Edit] *  top↑

管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。