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Tag [続刊レビュー] 2010.05.30
作品紹介→*新作レビュー*碧也ぴんく「天下一!!」



1102908779.jpg碧也ぴんく「天下一!!」(2)


今まで
周りにいなかった
こんな男の子……



■2巻発売でございます。
 信長の小姓として、乱丸に教わりながら、日々の仕事に励む虎。元の時代に帰るには、「本能寺で信長を死なせてはならない」。その条件をクリアすべく、本気モードの虎は、女子高生ならではのアイデアをくりだし、信長にも気に入られる。小姓仲間とも仲良くなった虎だったが、意外な出来事が起こり…!?また同じくして、怖いけれど時折優しさを見せる凛々しい戦国男子・乱丸に恋フラグが!?戦局も、人間関係も、恋愛事情も、俄に動き出し、益々目が離せない第2巻、登場!!


~センゴク男子、今月2作目~
 今月すでにセンゴク男子ものはレビューしてるんですが、どちらかというとこちらの方が好みだったりします。あちらは現代にタイムスリップで、こちらは過去にタイムスリップ。過去に飛んだ方が、歴史のひな形が存在する分、そして物語に制約ができて工夫が必要になる分、難しいのかもしれません。あくまでも、既定路線を逸脱しすぎない範囲で主人公が動き回るという。そして今回は、虎がこんなことしちゃいました…。


~男の娘・坊丸の破壊力~
 左義長で何か催し物を…と信長から話題をふられた際、「女装でダンパ」というトンデモ提案を。元々女装が好きであった信長は当然ノリ気に。そして気がつけば、みんな女装でダンスパーティーをするという状況になっていたのでした。小姓たちのメイク担当はもちろん虎。そして中でもひと際可愛らしかったのが…


天下一!2
坊丸ちゃん
 
 ノリノリの男の娘というのも素敵ではありますが、こうして男らしくない自分を恥じ、泣き出すその姿もまた良し。この弱々しさが、格好とマッチして、グッと来ますね、グッと。これ、普通であれば乱丸が美女に変身して「すごいー」というのがテンプレなんですよ。けれどもそれをぶん投げて全部持っていった、坊丸ちゃん。最高です。もうこうなったらこれからも女装で行こうか、それでオールオッケーだよ!(←×


~女装は恋を生む!?~
 さて、また女装によって小姓達の人間関係に若干の変化が。女の子の姿に戻った虎に、思わず虎松がドキッ!徐々に意識していくようになります。そして沸き立つ、乱丸への嫉妬心。これからどうなっていくのか、目が離せませんね。当の虎は乱丸一本という感じで、虎松は早くも噛ませ犬の匂いがプンプンしているのですが。注目は、どちらの方に先に女であることがバレるのか。双方共に、目一杯フォローしてくれそうですが、一番優しく気遣ってくれるのはきっと松寿なんじゃないかって気がします。


~松寿の愛~
 そう、松寿ですよ、松寿。2巻にて一番の感動を運んでくれたのは、他でもない松寿でした。これは読んでからのお楽しみですが、戦国の世だからこそ生まれる恋であり、また戦国の世であるからこそ、非情に引き裂かれる運命にあるという。出る杭という感じがしていなかったからこそ、あの急展開には驚き、そして切なさばかりが残りました。けれども哀しい切なさだけでなく、最後にほんの少しだけ、救いを提示してくれた。儚さの中にひっそりと残る優しさが、この時代感にマッチしていて、やけに心に響きました。


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