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Tag [新作レビュー] [4コマ] 2010.06.01
1102905414.jpg結城さわな「天然くるくるパンダMAX!!」


俺という存在が何なのか…


■シリーズ2冊目。
 まあるいお腹に愛らしい仕草…だけどコイツら、超毒舌!1歳の子パンダのくせに、人の言葉を操り、ブラックな発言連発。笹ではなく、もっぱら甘いものを好み、裏では職員と賃上げ交渉…。珍獣仔パンダ・笹島さん率いる、不思議動物園へようこそ♪
 
 腹黒・強欲・極悪パンダ…なのにちょっぴり憎めない。一度読んだらクセになる、ネオ癒し系パンダ4コマでございます。ベツコミ最長連載の、ギャグ4コマ。人の言葉を操り、仔パンダとは思えない腹黒さ・極悪さ・強欲さを発揮する笹島さんの毎日を描きます。笹島さんについてはすでに説明した通り。子供が嫌いで、老人が嫌いで、仕事が嫌い。お金と甘いものが大好きで、不摂生の極みという生活を送っています。夜には動物園を抜け出し、公園のベンチで高校生とおしゃべり。その内容がまた…。


結城さわな「てんねんくるくるパンダMAX」
普段は笹島さんがボケるのですが、たまに沢村くんがボケをかますときが。その時の笹島さんの普通な返しがたまらなく好き。


 現在ベツコミの最長連載なんですね。2003年スタートですから、7年ですか?それで2冊目。いやはや、少女漫画の4コマとギャグは、一冊出すのが大変です。1冊目とかだと、結構絵柄やネタが不安定なのですが、2冊目ともなると安定しきっています。絵柄、雰囲気、トーン…どこから読んでも変わらない、抜群の安定感を見せています。これ読んでると、ギャグ4コマは、笑いだけでなく、いつも変わらずそこにあるというちょっとした安心感をもたらす役割も持っているのではないかと、ついつい考えてしまいます。
 
 設定からもわかる通り、爆笑ではなく「ふふっ」という笑いを狙ったようなつくり。カワイイ存在が、ブラックな発言・行動をするという、ギャップからのシュールさを生み出そうというのは、読まずともわかると思います。基本的にはそれ押しで、そこにあるあるネタなどを織り交ぜるスタイル。キャラ頼みのネタも、基本的には笹島さんのみと、かなり潔い作品です。ゆえに上手くハマればずっと楽しめますが、ハマらなければそれまで…という感じになりそう。ブラックなことを言うパンダということで、「やさぐれぱんだ」を思い出したのですが、登場はこちらの方が先。あちらのほうがシュール度では上に感じるのは、こちらが少女漫画誌連載であるという環境がそうさせているのか。


【男性へのガイド】
→毒舌ですが、作品自体にはそこまで毒はなし。笑いを求めて買うと、ちょいとズレがあるかも。
【私的お薦め度:☆☆   】
→笑いのツボが合うかどうかでしょうか。私はもうちょっと動きのある方が…。ブレない作風は、お見事の一言。かわいらしく、苦みの利いたシュールさが欲しいという方は。


作品DATA
■著者:結城さわな
■出版社:小学館
■レーベル:ベツコミフラワーコミックス
■掲載誌:ベツコミ
■全1巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazon

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