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次なる舞台へ!
■感染すると、まるで人形のようになり、人を襲い、やがて死に至る奇病が猛威を振るっている世界で、慰問の旅を続ける宮廷楽団があった。楽団長で、女性のような容姿の歌謡い・ルチル、ぶっきらぼうなバイオリニスト・琥珀、無口でハリネズミをこよなく愛するチェリスト・グィンデル。秘密の歌集「黒の賛美歌書」によって奏でる音楽と歌声によって、滅びの世界に奇跡を起こす集団。そんな彼らが、依頼で訪れた街で少年・エレスに出会うことで、この物語は動き出す
感染すると人形のようになり、人を襲い、やがて死に至る病気が蔓延。「バイオハザード」で、ゾンビを、人形に置き換えてもらえればわかりやすいと思います。そんな世界で、各地をまわり、慰問を続ける宮廷楽団。彼らが音楽を奏でると、人形化した人々の意識が、少しの間だけ戻る。そんな彼らがある日、エレスという少年に出会う。病気によって家族を失い、自分も心に深い傷を負ったエレスだったが、ひょんなことから宮廷楽団の一員として旅をすることに。物語では、エレスが加わって以降の宮廷楽団の旅が描かれていきます。
宮廷、そして女王という大きな存在があり、彼らの傘下のひとつであるのが「宮廷楽団」。感染者の意識を一瞬だけ取り戻すという能力なので、あくまで仕事は「慰問」。しかも楽団は異端な存在で、特にルチルは、女王と何かしら遺恨がある模様。今後はその辺を落としどころとして、話を展開していくのでしょう。とりあえずクセのある絵柄で、舞台の説明も少なめと、親切さはありません。ただその分スタイリッシュさは増しますし、話もひとヒネリいれてくるので読み応えはあります。とはいえこれは読み手を選びそう。
【オトコ向け度:☆ 】
→幻想的な作品が好きな方は楽しめるのでは。ただ絵柄は少女マンガ的なクセがありますし、ネタもオタク、それも「腐」方向の匂いが…。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→作り込まれていますし、面白いです。ただこれは読み手を絞るんじゃなかろうか、と。
作品DATA
■著者:由貴香織里 作者サイト→「地下庭園―UnDERGAЯDEN―」
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:別冊花とゆめ(平成20年8月号~連載中)
■既刊1巻
■定価:400円+税
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