作品紹介はこちら→末次由紀「ちはやふる」
5巻レビュー→《気まぐれ続刊レビュー》末次由紀「ちはやふる」5巻
6巻レビュー→肉まんくんこと西田くんとは何なのか…《続刊レビュー》「ちはやふる」6巻
7巻レビュー→最後の壁は誰になるのか、というお話《続刊レビュー》「ちはやふる」7巻
8巻レビュー→我らが詩暢サマに異変!?:末次由紀「ちはやふる」8巻
関連作品レビュー→「ハルコイ」/「クーベルチュール」
末次由紀「ちはやふる」(9)
こんなに欲張りな人間見たことない
こんなにかるたが好きな人間も …
■9巻発売です。
百人一首競技かるた世界最高峰に立つ者 名人・周防久志のかるたを目の当たりにした観客たちは、その様子に息をのむ。一字決まりが24枚…。次元の違い。火花も散らぬ、圧倒的な力の差。しかしその観戦は、千早に大きな意味をもたらした。仲間がくれた、ある一言によって…。そして季節は春。新入生がやってくる。かるた部も、新入部員獲得に乗り出すが、事態は思わぬ方向に…!?
~表紙がシュール~
9巻です。今度の表紙は周防名人。この作品は、表紙に一人のキャラクターが描かれ、その周りに花や葉など植物があしらわれるのですが、周防名人は百合ですか。果たしてそれがどういった意味を持つのか、私にはさっぱり。ちなみに花言葉は「威厳」「純潔」「無垢」だそうです…え?しかしこの表紙、シュールですよね。帯があると隠れて見えないのですが、帯を取るとそこにはおおきなたいやきが。百合にヒゲの男にたいやき。ミスマッチ×3で、冷静に考えるとなんともシュールな装いとなっています。
~詩暢サマの紹介が…~
さて、今回は我らが詩暢さまの登場シーンが非常に少なかったです。しかしあの見ためにあの態度、よく合ってますよね。そういえばずっと詩暢サマが誰かに似ていると思っていたのですが、なんとなくNHK教育でやってた「ざわざわ森のがんこちゃん」のがんこちゃんに似ているのかな、と。ほんとどうでもいいですけど。
そういえば、前回衝撃の大変身を遂げたと思ったら、9巻では早速人物紹介の絵が差し替えられていましたよ。

8巻紹介(使用前)
↓↓↓

9巻紹介(使用後)
別人ですね…。なんか目の描かれ方も変わっているようにも感じます。話の進み方にもよると思いますが、とりあえずあと2巻くらいはこのままでいきそうですね。いつか戻ってくれると信じているのですが、果たしてどうなのでしょうか。1巻冒頭の、詩暢サマの者だと思われる指は、さほど太くないように見えるので、きっと戻ってくれると信じています。
~欲張りな千早~
新入生が入ってきて、自分の練習そっちのけで新入生の指導にあたろうとした千早。それを周りから必死で止められるのですが、そのときに彼女の大いなる野望が明らかになりました。
強欲。とにかく強欲です。物事には優先順位というものがあって、まずは最優先のものにむかって力を注いでいくわけですが、千早の場合は“かるた”そのものが最優先になっています。だから全部に全力。強欲にも映るわけです。
そんな千早は、今回「何が一番大事か」という問いかけに対して「太一がA級になること」と答えています。敢えて順位をつけるのであれば、太一…ではなく、自分ではなく仲間ということになるのでしょう。そもそも千早にとってのかるたは、ひとりではなく仲間とやることに意味があったのです。そのことは、作中でもなんども提示されてきました。

仲間がいるから強くなれる
かるたは本来個人戦です。団体戦といっても、個人戦の勝ち星を比べ合うに過ぎません。それでもこの作品では、あくまでも団体競技としてのかるたが描かれます。千早がかるたをやる周りには、常に仲間の姿がありました。そしてその対極として描かれるのが、周防と詩暢サマ。横の繋がりも縦の繋がりも持たない二人ですが、今回は縦の繋がり、すなわち師を持たないことについて言及されていました。「卒業してもかるた教えにくるんだあ」というのは、明らかすぎるほどの対比。そういえば千早は大好きな人は誰?と姉に聞かれた際に「原田先生」と答えるくらい、先生のことを慕っていましたね(オマケ漫画ですけど)。真正面から師弟の絆が描かれたことはありませんが、縦の繋がりの醸成はばっちりだということです。
なによりも、みんなとやるかるたが楽しい。だからこそ、新入生にも自分が教えたい。実は初心者に対して、自ら率先して相手しようとするのは、何も今回が初めてというわけではありません。机くんやかなちゃんが入ってきたときも、自分が相手しようとして、太一から怒られています。

この時は「初心者のためにならない」という制し方でしたが、今回は「千早のためにならない」という制し方でした。それをどう受けとめるかは、その人次第。それまでに培ってきた、仲間意識の強さの表れでもありますし、歴史を刻んでこなかった部活ゆえの弱さでもあります。部活では少なからずこういうことがありますし、特に指導者のいない部活では陥りがちな問題だったりします。新入生を入れるということは、ある意味では異分子を投入するということですから、何かしらの反応は起こって当然。まぁ今回は、すごいのがいっぱいいたわけですけど。しかし新キャラの花野さん、これからどうなるんでしょ。楽しみ。
~最後にちょこちょこと~
早くも10巻にのります。次はいよいよ東京都予選が始まるということで、熱くなること必至。今から楽しみです。そういえば今回、かなちゃんのまつげが3本しかないという事実が発覚したわけですが、裏表紙のかなちゃん…2本しかないですよおおおおおお!!!
■購入する→Amazon
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5巻レビュー→《気まぐれ続刊レビュー》末次由紀「ちはやふる」5巻
6巻レビュー→肉まんくんこと西田くんとは何なのか…《続刊レビュー》「ちはやふる」6巻
7巻レビュー→最後の壁は誰になるのか、というお話《続刊レビュー》「ちはやふる」7巻
8巻レビュー→我らが詩暢サマに異変!?:末次由紀「ちはやふる」8巻
関連作品レビュー→「ハルコイ」/「クーベルチュール」

こんなに欲張りな人間見たことない
こんなにかるたが好きな人間も
■9巻発売です。
百人一首競技かるた世界最高峰に立つ者
~表紙がシュール~
9巻です。今度の表紙は周防名人。この作品は、表紙に一人のキャラクターが描かれ、その周りに花や葉など植物があしらわれるのですが、周防名人は百合ですか。果たしてそれがどういった意味を持つのか、私にはさっぱり。ちなみに花言葉は「威厳」「純潔」「無垢」だそうです…え?しかしこの表紙、シュールですよね。帯があると隠れて見えないのですが、帯を取るとそこにはおおきなたいやきが。百合にヒゲの男にたいやき。ミスマッチ×3で、冷静に考えるとなんともシュールな装いとなっています。
~詩暢サマの紹介が…~
さて、今回は我らが詩暢さまの登場シーンが非常に少なかったです。しかしあの見ためにあの態度、よく合ってますよね。そういえばずっと詩暢サマが誰かに似ていると思っていたのですが、なんとなくNHK教育でやってた「ざわざわ森のがんこちゃん」のがんこちゃんに似ているのかな、と。ほんとどうでもいいですけど。
そういえば、前回衝撃の大変身を遂げたと思ったら、9巻では早速人物紹介の絵が差し替えられていましたよ。

8巻紹介(使用前)
↓↓↓

9巻紹介(使用後)
別人ですね…。なんか目の描かれ方も変わっているようにも感じます。話の進み方にもよると思いますが、とりあえずあと2巻くらいはこのままでいきそうですね。いつか戻ってくれると信じているのですが、果たしてどうなのでしょうか。1巻冒頭の、詩暢サマの者だと思われる指は、さほど太くないように見えるので、きっと戻ってくれると信じています。
~欲張りな千早~
新入生が入ってきて、自分の練習そっちのけで新入生の指導にあたろうとした千早。それを周りから必死で止められるのですが、そのときに彼女の大いなる野望が明らかになりました。
高校選手権団体戦 優勝
個人戦各階級 優勝
1年生教育にも力を入れて
北央学園みたいなかるた強豪校になるの!!
(中略)
後輩ができたら
卒業してもかるた教えにくるんだあ
個人戦各階級 優勝
1年生教育にも力を入れて
北央学園みたいなかるた強豪校になるの!!
(中略)
後輩ができたら
卒業してもかるた教えにくるんだあ
強欲。とにかく強欲です。物事には優先順位というものがあって、まずは最優先のものにむかって力を注いでいくわけですが、千早の場合は“かるた”そのものが最優先になっています。だから全部に全力。強欲にも映るわけです。
そんな千早は、今回「何が一番大事か」という問いかけに対して「太一がA級になること」と答えています。敢えて順位をつけるのであれば、太一…ではなく、自分ではなく仲間ということになるのでしょう。そもそも千早にとってのかるたは、ひとりではなく仲間とやることに意味があったのです。そのことは、作中でもなんども提示されてきました。

仲間がいるから強くなれる
かるたは本来個人戦です。団体戦といっても、個人戦の勝ち星を比べ合うに過ぎません。それでもこの作品では、あくまでも団体競技としてのかるたが描かれます。千早がかるたをやる周りには、常に仲間の姿がありました。そしてその対極として描かれるのが、周防と詩暢サマ。横の繋がりも縦の繋がりも持たない二人ですが、今回は縦の繋がり、すなわち師を持たないことについて言及されていました。「卒業してもかるた教えにくるんだあ」というのは、明らかすぎるほどの対比。そういえば千早は大好きな人は誰?と姉に聞かれた際に「原田先生」と答えるくらい、先生のことを慕っていましたね(オマケ漫画ですけど)。真正面から師弟の絆が描かれたことはありませんが、縦の繋がりの醸成はばっちりだということです。
なによりも、みんなとやるかるたが楽しい。だからこそ、新入生にも自分が教えたい。実は初心者に対して、自ら率先して相手しようとするのは、何も今回が初めてというわけではありません。机くんやかなちゃんが入ってきたときも、自分が相手しようとして、太一から怒られています。

この時は「初心者のためにならない」という制し方でしたが、今回は「千早のためにならない」という制し方でした。それをどう受けとめるかは、その人次第。それまでに培ってきた、仲間意識の強さの表れでもありますし、歴史を刻んでこなかった部活ゆえの弱さでもあります。部活では少なからずこういうことがありますし、特に指導者のいない部活では陥りがちな問題だったりします。新入生を入れるということは、ある意味では異分子を投入するということですから、何かしらの反応は起こって当然。まぁ今回は、すごいのがいっぱいいたわけですけど。しかし新キャラの花野さん、これからどうなるんでしょ。楽しみ。
~最後にちょこちょこと~
早くも10巻にのります。次はいよいよ東京都予選が始まるということで、熱くなること必至。今から楽しみです。そういえば今回、かなちゃんのまつげが3本しかないという事実が発覚したわけですが、裏表紙のかなちゃん…2本しかないですよおおおおおお!!!
■購入する→Amazon