このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [新作レビュー] 2010.06.27
1102916106.jpg相原実貴「5時から9時まで」(1)


ひとり身の
寂しい26歳と思ってなめんなよ
しかも なんか
今ナゾのモテ期なんだからっ



■英会話教室で講師をしている桜庭潤子は、数日後に27歳の誕生日を控えたおひとり様。子供の頃から英語が好きで、将来は海外ドラマみたいな生活をすることを夢見て、日々を過ごしている。けれども気づけばこんな歳。夢のために邁進するのは良いけれど、焦りがないわけではない。そんな中持ち上がったお見合い話。しかし相手はお堅いお坊さまで…?さらにさらに、謎のモテ期到来まで…!?

 「HoneyHunt」(→レビュー)の連載をぶっ飛ばして、新たに始めた連載作がこちら。ヒロインは27歳の英語塾講師・桜庭潤子。ドラマのような海外生活を夢見て日々の生活を送るも、この歳になり独り身という状況に、少々焦りを感じ始めます。そんな中持ち上がった、お見合い話。しかしながら相手は、まさかのお坊さん。イケメン、金持ち、しかも学歴は東大と、申し分なしの相手。しかし海外とお坊さんは、どう考えても将来結びついてくれません。潤子は早々にこの話を断るのですが、後日勤め先の英会話教室にその人が。どうにもお堅いその方は、潤子のことが気に入ったらしく、何かと理由をつけて彼女の側にいようとします。そんな彼に困る潤子ですが、状況はさらにややこしいことに。腐れ縁の友人で、商社マンの三嶋と何だかいい雰囲気になったり、同僚で美形の外国人講師・アーサーから食事に誘われたり、スクールの高校生の生徒たちからも誘われたり、何やらモテ期に突入して、もうどうしましょう!というストーリー。


5時から9時まで
恋愛に関しては、けっこう流されやすい体質のヒロイン。東京版・セックスアンドザシティと帯にはあるが、果たしてそこまで痛快にすることができるのか。


 軸となるのは、お坊さんでお堅いイケメンの星川さんとの関係。とはいえ、ヒロインの潤子はどうにも恋愛に全てを傾けられる気質にないらしく、自分の夢を追う意志の強さとは裏腹に、恋愛に関してはかなりの優柔普段でフラフラ気味。どの相手も、それなりに魅力的でありながら、短所もあり、決めきることが出来ません。何よりも自分の夢が最優先で、それでありながら乙女の心の部分は弱い。フラフラしながら、気持ちが弱っている時に優しくされると、ついつい心を許してしまいます。結果、星川さんと流れで関係を持つことも。なんていうか、その辺だけ海外ドラマみたいっすね、という。
 
 いや、むしろ雰囲気的には90年代ドラマの匂いを感じます。海外に憧れている、ちょいとミーハーな20代ヒロイン。その腐れ縁の友達は、エリート商社マンの優良物件で、新たに現れた相手候補は東大卒のイケメンという。なんかベタじゃないですか?そんでもって、なんとなく華やかな、相原先生の作風が、それに拍車をかけます。ただ今っぽい設定もちらほら。まずはお坊さんという相手の職業ですが、最近お寺だ住職だっていう設定の作品が結構あったりして、なんとなく最近の作品っぽさを感じさせます。また女装をする美少年が登場するなど、今怒濤の勢いで伸びている男の娘もカバー。
 
 これ、Cheese!連載なんですよね。しかしながら、ヒロインの年齢設定といい、セックスだなんだとオトナな恋愛を展開するあたり、どちらかというとプチコミで連載していた方がしっくり来るような内容となっています。他では、講談社のKISSとか。また“東大”をはじめ、実在の団体・商品の名前が遠慮なく使用されていて面白いです。ヒロインは上智大卒で、同僚で恋愛好きの後輩は、あだ名がゼクシィ。しかも頻繁に、しかもイヤな存在として「ゼクシィ」という名前が使用されるのですが、これリクルートから怒られないんですかね?いや、もう「ゼクシィ」が登場するたびに、私は爆笑しまくっていたのですが。


【男性へのガイド】
→華やかではありますが、男性的に見たとき、このヒロインは受け入れられるのか。そして相手筆頭が、かなりの変わり者で、時にその行動が怖い。うーむ、どうだろうか。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→いきなり登場人物を多く投入した上、これといった相手軸を置かずに展開。結果的に、ややチグハグな印象を与えてしまっているように思います。実力派の先生なので、破綻せずにここまでやっているという捉え方もありますが。個人的には、「HoneyHunt」の続きを早く!と言う感じです。


作品DATA
■著者:相原実貴
■出版社:小学館
■レーベル:Cheese!フラワーコミックス
■掲載誌:Cheese!(09年9月号~)
■既刊1巻
■価格:400円+税


■購入する→Amazonbk1

カテゴリ「Cheese!」コメント (0)トラックバック(0)TOP▲
コメント


管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。