このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [続刊レビュー] 2010.06.28
作品紹介→*新作レビュー*藤間麗「黎明のアルカナ」
2巻レビュー→本領発揮しつつあります《続刊レビュー》藤間麗「黎明のアルカナ」2巻
3巻レビュー→ナカバの想いを知ってか知らずか、大きくなっていく物語:藤間麗「黎明のアルカナ」3巻



1102916108.jpg藤間麗「黎明のアルカナ」(4)


発火
するかと
思った
指先から



■4巻発売です。
 ベクルートの同盟国・リトアネルの第5王子・アーキルと出会ったナカバは、“刻のアルカナ”を持っていることを、彼に知られてしまう。この力をどうするべきか…以前は頑に隠すことを選んできたナカバだったが、シーザとの出会い、そして明らかになったベクルートの野望によって、その想いは変化を見せ始める。「誰かのために、未来を視る   」そして映り込んだ、一人の少女の姿。その子の名は、レミリア。彼女の失う未来を、アルカナで視たナカバは、とある行動に出るが…?


~表紙はアキールさん~
 4巻になり、フィールドは城外へ。新キャラの登場で、物語はいよいよ目まぐるしく動き回るように。そしてついに、ナカバのアルカナの力が本格的に物語に影響を及ぼしはじめます。そしてそんな中での表紙はアーキルさんでございますよ。藤間麗先生も「迷った」と柱で書かれているように、候補は複数いた模様。個人的には、リトだと予想していたのですが、砂漠の王子すか。まぁ今までの表紙の雰囲気から行くと、断然彼の方がしっくりくるわけですが。そう考えると、リトはなくともベリナスはあったかもしれませんね。そして今回はもう一人、表紙候補だったと思われる人が。それがあらまし紹介にも登場した、レミリアです。


~レミリアも可愛かったけれど…~
 レミリアは、シーザの従者であるベリナスの妹。途中から登場する妹のテンプレのようなキャラクターで、奔放に動き回ります。その自由さが、実に可愛らしい。特に前髪パッツンなところとか、とても素敵だと思います。そしてそういう奔放なキャラは、トラブルも呼び込んでくるわけで…。素敵に動き回るし、物語は十分すぎるほど動かすし、本当に良いキャラを投入したな、と思います。しかし4巻で一番かわいかったのは、ベリナスよりも、むしろこの人…
 

黎明のアルカナ4
おめかしナカバ
 

 ドレススタイルは過去にあったような記憶がありますが、その時は髪の毛を縛って編み込んでいたので、このように優雅な雰囲気は感じさせませんでした。また表情も硬くこわばり不信感に満ちていて、女性的な魅力には乏しかったような。それがどうですか、今度は!長い髪に、普段は着ないドレス、そして何といってもこの戸惑いの表情。そりゃあシーザも顔を赤らめます。彼女を連れていく時に、遠くを見てナカバの頭を抱えるように動き出したのも、彼女の前をすたすたと歩いたのも、きっと彼女の姿を凝視できなかったから。いや、もしくは赤面している自分の顔が見られたくなかったからか。この「なんかいつもと違って調子狂う」感じが、微笑ましくて良いですよね。そしてそのシチュエーションを作り上げたレミリアさん、やっぱりあなた最高です!助演女優賞ですね。


~ロキの服の紋章がラ○ュタっぽい件~
 一気にどうでもよい話題になるのですが、今さらふと、「ロキが着てるベクルートの軍服?の紋章、ジブリの名作『天空の城ラピュタ』のラピュタ紋章にどことなく似ているような…」なんて思ったりしました。

黎明のアルカナ4-1
 白黒だとあまり気にならないのですが、裏表紙のカラーページを見て、ああ、と。似てないですかね?もうすぐ金曜ロードショーでジブリ祭りがありますしそれに関連する話題でも…って本当にどうでも良い方向に。さらにどうでも良い話を続けると、ジブリ作品で一番好きなのは『魔女の宅急便』です。


~5巻へ向けて、スケールは広がるか~
 とりあえず未来を予知するという能力が、どのように使われていくのかが楽しみです。近くにいる人を守るためだけに使うのか、「戦場のローレライ」のように軍事的な規模にまで話を広げるのか。楽しみとしては断然後者ですが、その分難易度は上がりますし、恋愛中心の雑誌でどこまでそれが許されるのか。ターニングポイントとなりそうな次巻、注目です。


■購入する→Amazonbk1

カテゴリ「Cheese!」コメント (0)トラックバック(0)TOP▲
コメント


管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。