作品紹介はこちら→*新作レビュー* びっけ「あめのちはれ」
2巻レビュー→女子化以外は至って普通の学園漫画《続刊レビュー》「あめのちはれ」2巻
関連作品レビュー→びっけ「貘-BAKU-」/「真空融接」
びっけ「あめのちはれ」(3)
こんな変な体質になって
冗談じゃないって思ってたけど
これって本当は
貴重なことなんじゃないだろうか
■3巻発売です。
名門男子校・雨谷学園。雨の日の女子化による女子校生活にも、だんだんと慣れはじめ、気がつけば季節は新緑茂る5月に。茂る植物の緑のように、新入生5人を取り巻く生活や人間関係も、段々と色濃いものになってゆく。クラスメイトに惹かれたり、女子の選択事情に悩んだり、先輩の意外な一面を知ったり…。男の子のままではわからなかったこと、新たな関係に、とまどったり悩んだり…。女の子の体に、男子のココロ。入れ替わり群像劇、待望の第3集!
~梅雨の雨模様すら、素敵に感じさせる~
3巻発売です。ビーズログって刊行ペースものすごくゆっくりっていうイメージがあるのですが、この作品はまるで別レーベルかのようにスムーズに巻を重ねている感があります。ファンとしては嬉しい限り。今回は緑色の表紙で、本屋の平積み新刊の中でも目を引いていました。そうそう、ちょうど梅雨の季節に発売というのも、良いタイミングですよね。物語中は設定上雨のシーンが多いのですが、そこで展開される物語が素敵なため、じめじめな梅雨の雨模様でも、この作品を読んだ後だとなんとなく良いものに感じられるから不思議。

雨上がりでも、傘を持ち佇むその姿が素敵。
ちょっと高めの傘一本と、この作品さえあれば、湿りがちな梅雨の季節を乗り越えられそうな気がします。
~フラグのないところに、「転ぶ→受けとめる」はない~
今回の見所は、何といっても主人公の葉月。1巻の時から、なんとなく明日美ちゃんとのフラグが見え隠れしていたのですが、ついに3巻にて、明日美ちゃんへの恋心を自ら認めます。こうなったら早速行動!と行きたいところですが、その特殊な体質と、ある人物の存在によって、一直線に明日美ちゃんへ向かっていくことが出来ません。その“ある人物”とは、明日美ちゃんの兄である、葉月の寮の寮長。今までは遠い存在であった寮長が、女子化して明日美を通して知り合うことで、一気に近い位置に。そして遠くからでは見えてこなかった、意外な一面が垣間見えるようになり、今までの憧れが、より具体的で強いものへと変わっていきます。なんていうか、憧れは憧れなんですけど、フラグたってる憧れなんですよ。何かを匂わせるようなシーンが満載。背負われたときに髪の匂いかいだり、お礼にクッキー焼いたり、渡す時に身だしなみを気にしたり…何も気がなかったらそんなことしませんよー!!
個人的な極めつけは、階段やすべりやすいところで転びそうになる→それを男の子が受けとめるというくだり。これはラブコメなどで頻繁に登場するシーンですが(権力のある生徒会くらい現実で見ない光景ですよね…)、そのフラグ率の高さといったら…。そして3巻ではそういったシーンが、葉月周りで2度ほど起こりました。まずは10話目、帰宅中に、明日美ちゃんが階段ですべったところに、葉月が手を伸ばすというもの。そしてもうひとつが…

石垣から滑り落ちそうになったところを、先輩が受けとめるというもの。だからフラグのないところに、そんなシーンが挟まれることなんてないんだってば!(暴論)
そもそも寮長は、明日美ちゃんの好きな人であり、その時点で事情は簡単ではなくなってきます。そこに男として明日美ちゃんを好きになる葉月がいて、女子化して寮長に憧れる葉月がいる。なんとも不思議な三角関係(いや四角関係?)が形成されています。とりあえず、葉月の明日美ちゃんへの想いは確定的。あとは寮長への気持ちが、一体どういった言葉で表されるものなのか。レーベル的に、ガチでそっち方向に進むことはなさそうですが、一波乱あっても全然おかしくはありません。それはそれで面白そうではあるものの、個人的にはもうちょっと明日美ちゃんとの微笑ましいやり取りが増えてくれればなぁ、と思っているのでした。
~脇役たちの恋もまた、芽生え始める~
また3巻では、葉月以外にも恋愛の芽が生えてきていて、これからの展開に期待せざるを得ない状況になってきています。葉月の双子の弟が、女子化したトーマに、またゴロちゃんが、女子化時のクラスメイトである黒髪美人・桜子ちゃんに。どちらもまだ恋愛以前の状況ではありますが、動く可能性も十分にアリと、楽しみ楽しみ。しかし極めつけは、何といっても左近寺円の許嫁、梓。一直線に、好きな相手にぶつかっていくその姿が、ひと際眩しかったです。

なんとも気の強そうな容姿。そしてその見た目通りな、快活さ。年下であるのを良いことに、愛想を尽かされない範囲内で、もっとも効果的なわがままを言ってきます。良いですよね、こういう子。しかし初等科と聞いてびっくり。え、初等科とか…。こちらもまた、簡単にはいかなそうな組み合わせです。しかし梓は同じ学校とはいえ初等科だからそれほど絡むこともなさそうで、さらっと顛末描かれるんだろうなぁ。そしていつまでも梓ペースというのが、目に浮かぶようです…。
■購入する→Amazon
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bk1
2巻レビュー→女子化以外は至って普通の学園漫画《続刊レビュー》「あめのちはれ」2巻
関連作品レビュー→びっけ「貘-BAKU-」/「真空融接」

こんな変な体質になって
冗談じゃないって思ってたけど
これって本当は
貴重なことなんじゃないだろうか
■3巻発売です。
名門男子校・雨谷学園。雨の日の女子化による女子校生活にも、だんだんと慣れはじめ、気がつけば季節は新緑茂る5月に。茂る植物の緑のように、新入生5人を取り巻く生活や人間関係も、段々と色濃いものになってゆく。クラスメイトに惹かれたり、女子の選択事情に悩んだり、先輩の意外な一面を知ったり…。男の子のままではわからなかったこと、新たな関係に、とまどったり悩んだり…。女の子の体に、男子のココロ。入れ替わり群像劇、待望の第3集!
~梅雨の雨模様すら、素敵に感じさせる~
3巻発売です。ビーズログって刊行ペースものすごくゆっくりっていうイメージがあるのですが、この作品はまるで別レーベルかのようにスムーズに巻を重ねている感があります。ファンとしては嬉しい限り。今回は緑色の表紙で、本屋の平積み新刊の中でも目を引いていました。そうそう、ちょうど梅雨の季節に発売というのも、良いタイミングですよね。物語中は設定上雨のシーンが多いのですが、そこで展開される物語が素敵なため、じめじめな梅雨の雨模様でも、この作品を読んだ後だとなんとなく良いものに感じられるから不思議。

雨上がりでも、傘を持ち佇むその姿が素敵。
ちょっと高めの傘一本と、この作品さえあれば、湿りがちな梅雨の季節を乗り越えられそうな気がします。
~フラグのないところに、「転ぶ→受けとめる」はない~
今回の見所は、何といっても主人公の葉月。1巻の時から、なんとなく明日美ちゃんとのフラグが見え隠れしていたのですが、ついに3巻にて、明日美ちゃんへの恋心を自ら認めます。こうなったら早速行動!と行きたいところですが、その特殊な体質と、ある人物の存在によって、一直線に明日美ちゃんへ向かっていくことが出来ません。その“ある人物”とは、明日美ちゃんの兄である、葉月の寮の寮長。今までは遠い存在であった寮長が、女子化して明日美を通して知り合うことで、一気に近い位置に。そして遠くからでは見えてこなかった、意外な一面が垣間見えるようになり、今までの憧れが、より具体的で強いものへと変わっていきます。なんていうか、憧れは憧れなんですけど、フラグたってる憧れなんですよ。何かを匂わせるようなシーンが満載。背負われたときに髪の匂いかいだり、お礼にクッキー焼いたり、渡す時に身だしなみを気にしたり…何も気がなかったらそんなことしませんよー!!
個人的な極めつけは、階段やすべりやすいところで転びそうになる→それを男の子が受けとめるというくだり。これはラブコメなどで頻繁に登場するシーンですが(権力のある生徒会くらい現実で見ない光景ですよね…)、そのフラグ率の高さといったら…。そして3巻ではそういったシーンが、葉月周りで2度ほど起こりました。まずは10話目、帰宅中に、明日美ちゃんが階段ですべったところに、葉月が手を伸ばすというもの。そしてもうひとつが…

石垣から滑り落ちそうになったところを、先輩が受けとめるというもの。だからフラグのないところに、そんなシーンが挟まれることなんてないんだってば!(暴論)
そもそも寮長は、明日美ちゃんの好きな人であり、その時点で事情は簡単ではなくなってきます。そこに男として明日美ちゃんを好きになる葉月がいて、女子化して寮長に憧れる葉月がいる。なんとも不思議な三角関係(いや四角関係?)が形成されています。とりあえず、葉月の明日美ちゃんへの想いは確定的。あとは寮長への気持ちが、一体どういった言葉で表されるものなのか。レーベル的に、ガチでそっち方向に進むことはなさそうですが、一波乱あっても全然おかしくはありません。それはそれで面白そうではあるものの、個人的にはもうちょっと明日美ちゃんとの微笑ましいやり取りが増えてくれればなぁ、と思っているのでした。
~脇役たちの恋もまた、芽生え始める~
また3巻では、葉月以外にも恋愛の芽が生えてきていて、これからの展開に期待せざるを得ない状況になってきています。葉月の双子の弟が、女子化したトーマに、またゴロちゃんが、女子化時のクラスメイトである黒髪美人・桜子ちゃんに。どちらもまだ恋愛以前の状況ではありますが、動く可能性も十分にアリと、楽しみ楽しみ。しかし極めつけは、何といっても左近寺円の許嫁、梓。一直線に、好きな相手にぶつかっていくその姿が、ひと際眩しかったです。

なんとも気の強そうな容姿。そしてその見た目通りな、快活さ。年下であるのを良いことに、愛想を尽かされない範囲内で、もっとも効果的なわがままを言ってきます。良いですよね、こういう子。しかし初等科と聞いてびっくり。え、初等科とか…。こちらもまた、簡単にはいかなそうな組み合わせです。しかし梓は同じ学校とはいえ初等科だからそれほど絡むこともなさそうで、さらっと顛末描かれるんだろうなぁ。そしていつまでも梓ペースというのが、目に浮かぶようです…。
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