
いやあなんだか
かわいさのあまり
お尻の穴にも指突っ込みたくなりますねっ
■人気少女漫画家・いくえみ綾の、初4コマ!家で猫は飼っているけれど、お年寄り猫なのと、怒りっぽいのとで、なんとなく猫不足だった…。そんなある日、ふらっと訪れたペットショップにて、どうにも不細工なスコティッシュフォールドを発見。その日は帰ったものの、血統書付きとは思えないような雑種感に、何をしてても頭の中はその猫のことでいっぱいに。そしてついに…買ってしまいました。ブンと名付けられたその猫は、ぐんぐん成長。その奔放さと危なっかしさに、目の離せない日々を送ることになるのでした…
「潔く柔く」(→レビュー)などで知られるいくえみ綾先生の、エッセイ4コマ。描かれるのは、飼い猫との愉快な日常でございます。視点はもちろん、いくえみ綾先生。そして登場する猫は、表紙の猫・ブンに、おばあさん猫・マメ、そしてブンの後にファミリー入りしたビビリ猫・きなこの三匹。主にいくえみ綾先生とブンについて描かれ、それに関連するように、同居している母であるとか、他の2匹の猫であるとか、他に飼っている1匹の犬だとか、旦那さんが作中に登場してきます。いくえみ先生の作品のあとがきもそうなのですが、基本的にややテンション高めの語り口。しかしそれが、ブンのドジでバカで可愛らしい側面を引き立ているような気も。

これはあるある。しかも猫さまですから、不用意に動かしたりしたらめっちゃ怒りそう。
漫画家さんらしく、作中に「ハチクロ」の羽海野チカ先生が登場。「あれ、友達だったんだ!」と意外に感じたのですが、そういえば、お二人とも集英社で描かれておりますし、何かと出会うチャンスはあったのでしょうか。ちなみに羽海野先生の飼っている猫もブンちゃんといい、こちらのブンちゃんと同じく、ペットショップで売れ残っていたところを先生に保護されたという、見事なシチュエーション被り。こんな偶然ってあるんですねー。
作中ではかなりデフォルメされて描かれているブンちゃん。写真を見ると、確かに可愛いとは言えないものの、猫らしい容姿(猫なのに変な表現…)をしています。けれどこのデフォルメが、いい味になって効いてくる。まんまるな目が、何も考えていなさそうな、能天気な性格を想起させ、描かれるブンちゃんの行動が納得いきまくりで驚きます。実際ここまでじゃないんだろう?なんて思いつつも、描き方・煽り方が巧いから、読めば素直に受け入れてしまいます。文章量も多めで、わりかしお得感もあり。猫好き、いくえみ先生好き(いくえみ作品ではなく)であれば、チェックしておいて良い作品だと思われます。とりあえず猫縛りのあとがきがずっと続く感じだと思っていただければ。
【男性へのガイド】
→愉快な猫話。この手の作品は女性受けのほうがしそうではあるものの、男性にとって読みづらいかと言えばそうではなく、割と普通に読めるんじゃなかろうかと思います。動物コメディ好きなら。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→いくえみ綾先生の他の作品とは切り離して読んでおいた方が良いか。「あとがきがずっと」というのは結構内容を端的に表せていると思うので、ああいったノリがお好きな方は。猫エッセイは他にあまり作品を読んだことがないので、比較した上でのオススメとかはちょっと…。
■作者他作品レビュー
いくえみ綾「いとしのニーナ」
作品DATA
■著者:いくえみ綾
■出版社:祥伝社
■レーベル:フィールコミックス
■掲載誌:FEEL YOUNG(2008年8月号~)
■既刊1巻
■価格:781円+税
■購入する→Amazon