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Tag [新作レビュー] 2010.07.26
1102940688.jpg碧門たかね「葵心学園探偵倶楽部」


…ようこそ
中等部生徒会へ



■演技が上手くいかず悩んでいた人気子役の小宮奏人。出演中のドラマの役作りのため、奏人は中学のミステリー研究会を訪ねるが、なんとその中にいたのは、生徒会の面々!?学園の秩序と平和を守る、裏の顔を持った葵心学園中等部生徒会。構成員は、尽く濃いキャラばかり。そんな彼らと共に、芸能生活の合間を縫いながら、奏人は謎を探ることになるのだが…気がつけば探るどころか巻き込まれてばかりで…!?

 現在ゼロサムにて「しろがねの王」(→レビュー)を連載中の、碧門たかね先生の過去に連載していたシリーズを、このタイミングで単行本化。これ以外にも、一迅社では過去作の単行本化がされており、「いよいよ経営危ないか!?」なんて思ったら、一迅社の決算期が7月らしく、駆け込みで単行本化がされているということみたいです。この作品は、表題作が7年前の作品と、かなり古め。絵柄もなんとなく、時代を感じさせます。主人公は、人気子役の小宮奏人。彼が出演中のドラマの役作りのため(顔採用で演技はド下手)、学校のミステリー研究会に加入し、様々な事件や出来事に関わっていくというストーリー。ミステリー研究会といっても、その会員たちはそのまま生徒会の役員たち。学園の秩序を守るため、裏の顔として、ミステリー研究会を運営しているのでした。ドSな会長を始め、生徒会の役員達はみなみな個性派。そんな中で、かわいらしい見ためそのままに、見事に弄られ役になっていく、主人公の奮闘を、見守っていきましょう。


葵心学園探偵倶楽部
中一だけど、見ためは完全に小学生。かわいいです。


 現在のゼロサム(WARDを含めて)から見ると、絵柄や作風が、やや低年齢向けな印象を受けます。ガンガンとか、ギャグ王とか、その辺で連載していたとしたら、けっこうしっくり来るイメージ。主人公は中学生ですし、学園探偵ものということで、やはり少年誌連載作的な感覚で読んでしまいます。個人的には、ギャグ王で連載していた「少年探偵彼方 ぼくらの推理ノート」が大好きな子供だったので、こういうノリの作品は大好物。事件といっても、とてもかわいらしいもので、読み手に推理をさせるような作りにはなっていませんが、主人公が活発に動き回る(動き回される)ので、見ていて飽きることがありません。下手なファンタジーよりも、読み手に優しく、親しみやすい作品だと思いました。
 
 表題作のシリーズが収録されているのは、全体の2/3。残りはいままでに描いた読切りや、現在連載している「しろがねの王」の特別版など。全体的にボリュームに欠け、特別版も本編を読んでいないと楽しめないということで、作者さんの作品を初めて手に取るという方には、やや辛い所があるかもしれません。個人的には、北海道の女子寮に住む女の子達のとある一日を描いた読切りがお気に入り。こういうの、また描いてくれないかなぁ。なんとなく懐かしい匂いを感じて、いい感じなのです。


【男性へのガイド】
→ショタ好きでも良いし、ライトな学園ミステリーもの好きでもOK。比較的読みやすい作品が多く収録されていると思います。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→コスパは無視で、どのくらい楽しめたかで考えてこのくらいでしょうか。同時収録の読切りに、厚みがかけたのがちょっと残念。


作品DATA
■著者:碧門たかね
■出版社:一迅社
■レーベル:ゼロサムコミックス
■全1巻
■価格:552円+税


■購入する→Amazon

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Tag [新作レビュー] 2010.07.26
1102940686.jpg榧世シキ「千の月」


もう
確かめる術はないけれど
俺たちは
多分幸せだったのだろう



■とある世界のとある国の中央統治局特別捜査部に身を置く、温厚で人当たりの良い青年・汐と、真面目ゆえに気の強い青年、海。二人に持ち込まれる依頼は、どこか不思議なものばかり。蝶の痣を顔に持つ、スラム街の教会に育った少女に、唄を捜す孤児の少年、街の時計を止めて回る眼帯の少年に、死人の帰りを待つ蝋人形師…。どこか壊れた人々の願いを聞き届ける、そんな二人が見つめるものとは…。この街は、戸惑いと希望に満ちている…

 「ねじまきの庭」(→レビュー)を連載していた榧世シキ先生が、過去に連載(不定期?)していたシリーズを、このタイミングで単行本化したものでございます。舞台となるのは、とある世界のとある国。そこの中央統治局特別捜査部に属する、温厚で人当たりの良い青年・汐と、無愛想で気が強い青年・海が物語の主人公となります。なにやらすごそうな所に所属していますが、実のところそこは、雑用捜査係とでも言いましょうか。さほど大きくない案件を任されるという部署。そんな所に舞い込む、ちょっと不思議な事件の解決までの過程と、その当事者の住民との関わりあいを、静かに静かに描いていきます。


千の月
落ち着きのある作風に、物語の優しさと悲しさが静かに降り積もる。


 不思議と言っても、魔法使いなどが出てくるわけではありません。イメージとしては、宗教であるとか、各地に伝わる民間伝承みたいなものが未だ残っているような世界という感じ。ゆえにファンタジー作品というジャンルには当たらないという印象です。狙ってそうしているのかはわからないのですが、全体的に「死」や「死者」が、物語に大きく関わっているものが多く、作品通しての雰囲気は、どちらかというと暗めとなっています。死や死者の存在があるからこそ、人々は何か得体の知れない不思議な力にすがりたくなるというもので、そんな人々を相手に、その行動を否定しつつも、その想いだけは汲み取るという、そんな役割を主人公の二人は担っていることになります。そんな二人もまた、死者の存在によって、その身の振り方を変化させられた人間。かきおろしとして収録されているストーリーは、まとめに相応しい良い物語だったと思います。ただ「ねじまきの庭」もそうなのですが、説明不足でわかりづらい節があるので、オススメはしづらい作品ではあります。
 
 同時収録されている「翠都」も、秀逸。こちらも設定的にはややわかりにくいところがあったのですが、物語や設定の折り畳み方が見事。新人類と旧人類というふたつの存在がいて、先に提示された関係を、そこに投入したとある設定を使って、最後にはひっくり返してしまうという。物語としても面白かったですし、作品の構成の仕方も上手いなぁと思わず唸ってしまいました。でもやっぱりちょっとわかりにくいところがあるし、なにより雰囲気がやや暗めで、オススメはしづらい作品ではあるのですが。


【男性へのガイド】
→主人公は男ふたりで、ややそっち向けの人物構成となっていますが、そういう雰囲気はほぼナシ。物語としても、それなりに読みやすい内容になっていると思います。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→榧世先生の作品が持つ、独特の落ち着いた雰囲気は、個人的に好きだったりします。ただちょいとわかり(ry


作品DATA
■著者:榧世シキ
■出版社:一迅社
■レーベル:ゼロサムコミックス
■掲載誌:WARD(平成16年vol.4~vol.7)
■全1巻
■価格:552円+税


■購入する→Amazonbk1

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2010.06.22
07177849.jpg群青「しましま」


お礼ってね
ありがとうっていう
うれしい気持ちを
相手に伝えたくてするものなの



■“しましま”は、人間と妖の混ざった存在。人の輪からも、妖の輪からも外れてしまう彼らは、普段は人の姿をしていて、人間の世界で生活している。しましま山のふもとのここは、“しましま”が人間と共存して生きる町。大葉屋は、しましま神のおわすしましま山を護りながら、しましま向けの道具を販売して生計を立てている。しかし、大葉屋の次男・次男(つぎお)は大のしましま嫌い。なのになぜかしましまに気に入られてしまう特異体質の持ち主で…。

 群青先生の初コミックス…だと思います(たぶん)。人間と妖怪の混ざった“しましま”という存在と、そのしましまを相手にお店を営む大葉屋の人間との触れ合いを描いたファンタジー作品。主人公は、大葉屋の次男坊・次男(つぎお)。幼い頃のトラウマか何かわかりませんが、彼はしましまが大の苦手。しかしその意志に反して、彼はしましまを引き寄せやすい体質の持ち主でもあるのです。そんな彼のもとには、引き寄せられるようにしましま達が。そんなしましまたちとの関わりを通して、少しずつ考えを変えていく次男の姿を、時にやさしく、時にダークに描いていきます。そしてやがて、彼の隠された過去が明らかに…という流れ。その他にも、大葉屋の個性的な脇役たちが、物語を彩り、群青先生の作品らしい、比較的賑やかなキャラ構成となっています。


しましま
しましまの姿形は様々。こんなにかわいらしいものもいれば、恐ろしい姿をする者もいる。同じく性質・考え方にも様々あり、まさに十人十色。


 しましまというのは、妖怪と人間が混ざったもの。一口にしましまといっても、その混ざり方、考え方、性格は異なっていて、人間に懐きやすい存在もいれば、人間を敵視して、徹底的に悪意を向けてくる者もいます。そして、どちらにせよその影響をもろに受けやすいのが、しましま引き寄せ体質の次男。しましまとの触れ合いを描く物語という流れなのなか、一貫して軸に据えられるのは、恐らく彼の成長物語。いや、成長物語というよりは、トラウマや悩みを乗り越えた末の、自分の本当の居場所探しというものになるのかもしれません。直接的にそれを描くと、ただの痛くてクサいお話になってしまうのですが、しましまという存在を介する事によって、それを中和。その他にも、脇役による人と人との繋がりや、人としましまとの繋がりを描く事によって、良い意味で、雑多な寄せ集めの物語のようなテイストを醸し出しています。
 
 群青先生スタンダードで、世界観以上に物語の背景や関係性がわかりにくいのです。「しましまとは何か」が説明されるくらいで、あとは説明ぶん投げで文脈から読み取ってというスタイル。それによって、一つの物語の始まりと終わりを印象付けず、当たり前にそこにあったこの世界の日常というものを自然に見せていると思うのですが、やっぱりわかりにくさは否めません(私の説明も)。その際には、普遍的な感情を描き出す事で、読者もそれなりについていけると思うのですが、今回はそれが弱め。主人公の次男よりも、むしろのりこさんと“しましましん”との関係に、心が温まったくらい。色々と詰め込んだ割には、結局着地するのはそこなのかぁ、という部分もあって、どことなく消化不良の感が残ります。とはいえ全体的な雰囲気はやはり好き。ふわふわで、優しい物語の体をなしておきながら、ダークな部分をたっぷり乗せてくるこの感じ。群青先生好きならば、満足できるかな、という一作です。


【男性へのガイド】
→どうでしょう。男性でも女性でも、どちらでもおーけーな感じが。そもそも性別云々ではなく、入り口はものすごく狭いような気はしますけど。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→好きですが、おすすめとなるとちと難しいかなぁ、という感じです。雰囲気が好きなので、物語のどの辺が素晴らしいとかも、説明しづらいわけで。

■作者他作品レビュー
群青「橙星」
群青「獏屋鶴亀放浪ノ譚」
*新作レビュー* 群青「黒甜ばくや薬笥ノ帖」


作品DATA
■著者:群青
■出版社:一迅社
■レーベル:ゼロサムコミックス
■掲載誌:ZERO-SUM WARD(平成17年vol.10~平成18年vol.14)
■全1巻
■価格:552円+税


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2010.02.09
07213200.jpg榧世シキ「ねじまきの庭」(1)


みつけてごらん
ふしぎはすぐそこに



■2巻発売、完結しました。
 美しい森に囲まれたここは、クラシカルな寄宿学校。学校のある辺りは、人里離れた山の中。昔から妖精だの精霊だのの伝承が多い場所で、学校は神秘な湖に守られるように佇んでいる。ここに来て間もないトゥリに、オカルト好きのヤン、ちょっと変わった体質を持つラウム、そして落ち着き払ったカレル。少年少女はこの学校で、少し不思議なことを体験する   
 
 ちょっと前に完結していたのですが、レビューしていなかったのでご紹介。とある山奥にあるクラシカルな寄宿学校を舞台におくる、少年少女たちの不思議体験記でございます。主人公はよくわかりません。一応はちょっと変わった体質の持ち主であるラウムがそうなのかな。ここに移ってきて間もないトゥリに、オカルト好きのヤン、マイペースの変わり者カレルの、仲良し4人組を中心に、この学校で起こる少し不思議な出来事を、舞台の空気感をそのまま伝えるように、幻想的に描いていきます。


ねじまきの庭
中心となる男の子4人組。変わった力を持つラウムは、そういった力を持っているがゆえにこういった物事に積極的でない。しかし基本的に巻き込まれやすい人間揃いなので、イベントはほぼ不可避。


 舞台となる学校は、人里離れた山奥にあり、妖精や精霊がいるとされる湖の近くにあります。そのせいか、学校でもしばしば不思議な出来事が起こります。そんな出来事に対して、積極的に首を突っ込みたがるのが、オカルト好きのヤン。また他の3人も、何かにつけて不思議な出来事に巻き込まれていくことに。そんな中、ちょっとした力を発揮するのがラウム。彼は周りの空気や他人の想いに同調してしまい、その心の内が見えたりしてしまうという、不思議な体質の持ち主。不可思議な出来事の核心へ迫る役目は、往々にして彼が担うことになります。
 
 不思議な出来事というのは、例えば猫が人間になったり、想いが具現化したりと、何かしらの形になって現れることが多いです。人間の形をしているから最初は気がつかないものの、あくまでそれらは「異質な存在」ですから、少しずつ「ズレ」が生じてきます。そこから主人公たちは、事の真相に迫っていくのですが、その全貌が明かされることはありません。基本的にはぶつ切りラスト。「不思議なこと」の真相のヒントはわかりやすく提示されるものの、答えが出されることはありません。これはそうすることで意図的に、物語の持つ幻想的な雰囲気を助長し、さらにラストを明確にしないことで読者の中に余韻を生むようにさせているのでしょう。感受性豊か、想像力に溢れるような人はより楽しめると言うような感じ。物語の核になる部分は、暗かったり寂しかったりする要素ではあるものの、最終的には名言はせずとも明るい形、救いを提示する形で終わるので、読み心地は非常に良いです。


【男性へのガイド】
→雰囲気系で、かつファンタジックなものがお好きな方は。男性でも基本的には大丈夫かと。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→こういうスタイルは、万人には受けなくとも、しっかり支持してくれる人も確実にいそう。個人的にも、これから注目してみたい漫画家さんですね。親切な作りではないですが、雰囲気の良さが際立っていました。


作品DATA
■著者:榧世シキ
■出版社:一迅社
■レーベル:CERO-SUMコミックス
■掲載誌:WARD
■全2巻
■価格:各552円+税

■購入する→Amazonbk1

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Tag [続刊レビュー] 2010.02.02
作品紹介は→*新作レビュー*久米田夏緒「ボクラノキセキ」



bokuranokiseki.jpg久米田夏緒「ボクラノキセキ」(2)


俺の居場所
もういっこ
前世の記憶を共有できる仲間
両方手に入れるのは
無理?



■2巻発売です。
王女・ベロニカの前世の記憶を持つ皆見晴澄は、高校生活を共に過ごすクラスメイトの中に同じ時代の記憶を持つ者がいることを知る。きっかけは、晴澄の書いたノート。そのノートを目にした者たちが、次々と記憶を取り戻していく。単なる“思い出話”ではすまない記憶に振り回されながら、やがて晴澄たちは大きな混乱に包まれていく。。。


~中二病感全開。しかしだからこそ面白い~
 第1巻をレビューしたのが昨年の2月ですから、ほぼ1年ぶりの新刊ということになりますね。なんとなく1巻の内容を覚えていなかったので、読み直して2巻まで通して読んだのですが、やっぱり面白いです。前世の記憶を引き継ぎながら、現世でも魔法を使い、前世の記憶と現世の意思の間で戸惑い葛藤するという様は、まさに中二病のアレ。これを読んでると、中二病ってホントにあったらもの凄く楽しいんだろうな、と。自分は特別であるという感覚と、その秘密を共有している仲間と、そして敵がいる。そんなシチュエーションに燃えない人なんて、いないですよ。


~前世の記憶を持つ者の広がりから、心理戦へ~
 さて、1巻では周囲の人間が徐々に記憶を取り戻しはじめたところで切れましたが、2巻ではその記憶の回復がかなり拡大します。クラスメイトをはじめ、学校の生徒の多くが記憶を取り戻しはじめ、軽く動乱が起こるという事態に。というのも、前世の記憶を持つ人々は1国ではなく、ゼレストリアとモースヴィーグという敵対していた2国のどちらかに所属しており、お互いに怒りや敵対心を強く抱いたまま生まれかわったため、このような事態になってしまったのでした。また晴澄のように徐々に記憶を取り戻していったのではなく、急激に記憶の回復が訪れたため、そちらの感情に一気に支配される傾向が強くなってしまったのでした。そうなると危ないのが、晴澄の身。前世で王女という立場にあった彼は、当然のことながら敵から真っ先に狙われてしまいます。そのことを感知した晴澄は、恋人である高尾と、事情を知った御堂以外には自分の正体を隠し、事を穏便に解決しようと画策します。

ボクラノキセキ1
高尾の機転により、晴澄の正体はすぐには明かさないようにする。高尾さんかわいいよ、高尾さん。この作品は、闘う女性キャラや気の強い女性キャラが多いのところが、個人的にポイント高いです。


~前世の記憶と現世の記憶~
 焦点となるのは、現世の状況をいかに保持しながら、前世の想いに決着をつけるかということ。どちらも取れれば良いですが、異なる人格の記憶として刷り込まれている以上、なかなか両立するのは難しいです。ましてや晴澄意外は、急激な記憶回復によって、どちらかというと前世の記憶に強く支配されるようになっており、そうそう話が通じる状況でもありません。せっかく高尾さんと恋人になったのに、高尾さんはかつてベロニカの護衛だったこともあり、記憶を回復して以降は常に下から敬語で接するという関係に。同じ記憶を共有する仲間ができた喜びと同時に、それまでに築き上げてきたものが崩れさっていく悲しさを、晴澄は感じるのですが、果たしてどういった落としどころになるのでしょうか。ポイントとなりそうなのは、いまのところ前世の記憶は持っていない、中学からの友達・上岡さん。というか1巻からの流れ的に、晴澄は高尾さんとつき合うってのはどう考えても不自然だったわけで。じゃあ上岡さんどうするんじゃいという違和感を抱えたまま終わったわけですが、2巻ではその糸口になりそうな設定が登場。うーん、これは楽しみです。

ボクラノキセキ2
晴澄以上に周囲の人間の戸惑いは大きい。記憶を持つ者同士が一緒にいると、どうしてもそちらの記憶に支配されがちになってしまう。


~3巻へ向けて~
 2巻ではかなり風呂敷を広げてしまった感じもあるのですが、どうやってたたんでいくのでしょうか。なんて晴澄は王女なので、全てを掌握する力はあるのですけど。とはいえしばらくは正体隠しつつの頭脳戦・心理戦を楽しみたかったり。また現世より前世の記憶に支配されがちっていうのは、殺されたという死に関連する感情ってのが多分に含まれているからなのかな、と。私たちは決して持つことのない感覚を、彼らは持っているわけで、その衝撃というのはやはりとても大きいのでしょう。脇役たちが個性を発揮してきたところで、3巻へ突入と、またしても先が楽しみな終わり方。さてさて、3巻が出るのはいつになるのやら…。


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